vol.63【香港を動かす、中国・改革の歴史】

みなさんこんにちは、

海外投資のGIA長谷川です^ ^

 

 

前回は

・貿易港の獲得と香港ドルの登場

・香港を拡張:戦争と3つの条約

・帝国・英の、罪か遺産か両方か

についてお話ししました。

 

【金融都市「香港・誕生」の時代】

 

 

帝国時代のイギリスが

香港エリアをいかにして作ったか

全体像を把握できましたね。

 

 

今回は、

「なぜ香港でデモが行われているのか?」

を理解するための香港の歴史、

 

 

『②その時間は何と150年

〜中国人の移住と世代交代〜』

を取り上げます(*´꒳`*)

 

 

中国:内乱と改革の歴史

 

 

イギリスによる統治のもと

香港は貿易の拠点として

順調に発展していきます。

 

 

「北京条約」に含められた、

清国による清国民の移住公認は、

イギリスにとって目論見通り追い風

 

 

中国本土からは、

出稼ぎにくる方が多く、

潤沢な労働力が集まりました

 

 

特に目覚ましい発展を遂げたのは

1950年代、1970年代です。

 

 

▼1910年頃:中環(香港島)

 

1950年代といえば

第二次世界大戦の終結後。

 

 

中国本土では、

1949年の毛沢東による

中華人民共和国が宣言された頃です。

 

 

▼1949年:建国宣言を朗読する毛沢東

 

中国は、清の時代前後、

そして中華民国、中国の成立後も

戦争・内乱・革命の連続です

 

 

毛沢東台頭後も

中国の情勢は不安定で、

 

 

朝鮮戦争への参戦

 

 

農業増産を目指した

「大躍進政策」により、

2000万人の餓死者と経済危機

 

 

60、70年

「文化大革命」の時代は、

新しい社会主義の国づくりのもと、

 

 

文化的遺物を破壊し、

知識人や政治家を迫害。

40万人もの死者を出します

 

 

毛沢東死去後の80、90年代は、

最高指導者・鄧小平のもと

 

 

経済を立て直すため

市場経済体制へ舵を取ります

 

 

先進国からの資本を受け入れ、

国外からの技術移転も進み、

10%を超える経済成長を遂げますが、

 

 

一方で、汚職の拡大、

農村部と都市部の格差、

沿岸部と内陸部の経済格差、

インフレや失業の拡大によって

政府への不満が高まり、

 

 

1989年

民主化を求め集結した国民に対し、

軍隊が攻撃し多くの死傷者を出した

「天安門事件」が起きます

 

 

▼天安門

 

中国移民の力:香港の原動力に

 

 

この中国本土の混乱の中、

上海の資本家は香港に逃れ

資本力を生かし紡績業を興します

 

 

そして本土から逃れた

多くの市民はその工業を興す

豊富な労働力として活躍しました

 

 

1954年設立:南豐紡績工場(香港島)

 

「香港人」の誕生と大勢力へ

 

 

1842年当初の

イギリスが香港の割譲を受けた時、

地元の人口はほんの数千人

 

 

それが1900年代には、25万人に。

 

 

第二次世界対戦後の

1947年末には180万人。

 

 

1961年には

300万人を突破

 

 

特に1940、50年代は

中国本土で続く内戦や改革を逃れ

何十万人という難民が流入し、

人口増加の最大の要因になりました

 

 

香港大学統計学部:Fan氏レポート

 

注目すべきは、

この人口増加の中の

「出生」による割合です。

 

 

出生はつまり

主に中国から移住をした方が

香港で落ち着き香港で出産された、

「香港出身者の誕生」を意味します

 

 

1971年には

香港生まれ世代の人口が

総人口の56%にものぼり、

過半数を超えることになります

 

 

今は2019年。

 

 

現在、香港のデモの

中心となっているのは、

香港に暮らす若い世代です

 

 

時代が流れ

親・祖父母世代の

「香港に逃れた中国人」という肩書きから、

 

 

第二世代、第三世代となる

「香港で生まれた香港人」

 

 

更にいえば

「中国の混乱の怖さを聞いて育った、

 香港で生まれた香港人」

 

 

という世代が

香港人口の多くを

占めることになりました

 

 

投資先国を理解する努力を

 

 

香港の基本法上、香港は

「中国の中の香港というエリア」

であるとはいえ、

 

 

「香港人」にとって、

 

 

「中国人」という感覚、

また「中国の制度」を

受け入れられないことは

自然なことのように思います

 

 

これが

香港でデモが起きている

背景の一つです

 

 

海外に投資をするというのは

その国に暮らす方達の土壌に

入らせていただくということですから、

 

 

「デモ=香港は○○」

と考えを終わらせるのではなく、

 

 

歴史的な背景や問題についても

理解を深めたいと思うばかりです

 

 

次回、

香港に生まれた

「民主」を取り上げます

 

 

どうぞお楽しみに(*´꒳`*)

 

 

 

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※続章はまた後日お楽しみに^ ^

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【第1章:見所はこちら】

インフレと口座対応

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