vol.5【高成長と、揺り戻しと、世界不況と】

みなさんこんにちは

海外投資のGIA長谷川です^ ^

 

 

前回は

2000年以降

ロシアのバラ色の時代を

書きました*

 

 

▼vol.4プーチン大統領の神風!?バラ色の時代

https://academy-global-investment.com/staffblog/vol4/

 

 

この時代のロシア

本当に凄いですよね、

全てがぐるぐる回って

まさに無敵の時代でした!

 

 

それでは本日は、

快進撃からの一転

揺り戻しの時代です^ ^ 

 

 

 

【規制→自由化】が時に牙を剝く

 

2007年

サブプライムローン問題に端を発した

アメリカの住宅バブル崩壊は、

 

 

2008年9月15日

米国の名門投資銀行

リーマン・ブラザーズの

経営破綻につながり、

 

 

その後に続く

世界的な金融・経済危機を

引き起こしました。

 

 

ロシアでは

2008年始めまでの好況が、

2008年末から一転

 

 

2009年中まで続く

マイナス成長期に入ります。

 

 

▼ロシア:GDP成長率

 

この時期の

ルーブルはというと、

 

 

2008年7月5日

最高値1ドル=23.2ルーブル以降、

 

 

膨大なルーブル売りによって、

 

 

2009年2月18日

1ドル=35.984ルーブルまで

ルーブル安が続きます。

 

 

 

自分が投資をしている時に

こんな値動きが起きたら

涙が出ますね(汗

 

 

「2008年7月5日以降に

何が起きていたのか??」

が気になりますが、

 

 

その前に重要なのは

「それまでの間に、

何が起きていたのか?」です。

 

 

前回書きましたが、

2000年から7・8年もの間

ロシアの快進撃は続きました。

 

 

これは

海外やロシア国内にとって

「ロシアは安心して買える」という

実績とも言えてしまうものを作り上げ、

 

 

ロシアに

海外からのお金が集まり

 

 

ロシアの民間銀行や企業

海外からお金を借りるようになりました。

 

 

ロシア政府でも

さらなる成長を目指し

方針転換が始まります。

 

 

 

【資本取引の自由化】

 

 

2006年末まで

ロシアで導入されていた為替規制は

次の2つを主な規制手段とするものです。

(1)デポジット義務

(2)特別 口座の利用義務

 

 

例えば、

ロシアの企業が、

海外の銀行から期間3年以内の

外貨建て融資を受ける場合

 

 

借手であるロシア企業は

ロシアの外為業務公認銀行に

特別口座を開設し、

 

 

融資額の一定比率(主に1-3%)

に相当するルーブルを

最長で一年間無利子で

デポジットしなければなりません

 

 

同様のデポジット義務は、

ロシアの企業が

海外の証券を購入する場合や、

 

 

海外の銀行が

ロシアの銀行や企業に

ルーブル建て融資を行う場合にも

課せられていました。

 

 

これが

2006年7月の

大幅改正によって

基本的に撤廃され、

 

 

ロシアの銀行や企業の

資本取引が抜本的に自由化

 

 

ロシアには海外から

お金が入りやすくなり、

 

 

民間には

2016年414 億ドル

2017年830億ドル

積み上げられました。

 

↑ロシア連邦中央銀行より金野雄五さん作成

 

 

これは一方で、、

『流出しやすい体勢』

なったことを意味します。

 

 

自由化の後に訪れた想定外・・

 

次のグラフをみると、

民間部門からの資本流出

2008年初頭から始まった

ことが分かります。

 

2008年1月-3月

民間部門資本流出総額

236 億ドル

 

 

236億ドル分の

ルーブルが売られ

外貨が買われたと考えられます。

 

 

これはおそらく、

サブプライム関連債券に

投資していた欧米の投資家が、

損失の埋め合わせのため

ロシア債券などを現金化したことによるもので、

 

 

また、民間の銀行自体も

ルーブル売り外貨買いで

外貨資産を増やしています。

 

 

2008年7月には

原油価格が下落に転じ、

 

▼原油価格:参考としてWTI

 

さらに翌月

2018年8月8日は

ロシア軍vsグルジア軍の

『グルジア紛争』勃発

 

 

ロシアの政治的リスクを高め

さらなる売りが集中。

 

 

外貨準備高

2008年7月にピークを

つけていましたが一転

 

 

2008年8月8日から

ルーブル買い支え等で

1週間で164 億ドル減少

 

 

2008年9月に入り

アメリカ発の金融危機が

全世界に認識されてくると、

 

 

ロシアからの

資本流出が勢いを増し

外貨準備の減少もさらに加速

 

 

結果2009年4月までで

ピークから2/3にまで

削ることになります。

 

▼外貨準備高(USD – ミリオン)

 

 

為替政策に反応→ルーブル売り

 

ルーブル安が加速した

2008年11月以降は

中央銀行の為替政策にも

大きな変化がありました。

 

 

2008年11月11日

中央銀行は、

「ルーブルの

対バスケット・レ ート変動幅を

従来比で上下対称に

0.3ルーブルずつ拡大する」と発表。

 

 

ルーブルの切下げを

容認したことが分かり、

 

 

「継続的に下落する!」

との観測が強まりました。

 

↑ロシア連邦中央銀行 より金野雄五さん作成

 

 

つまり

外国投資家や

ロシアの銀行、企業、個人にとって

ルーブルのまま持っておくことは

資産が減ることを意味しますから、

 

 

ルーブル売り外貨買い

の動きがさらに加速

 

 

2009年 1月22 日

中央銀行総裁が、 

対バスケット・レートの下限を

一気に41ルーブルまで引下げ

 

 

同時に

変動幅の拡大措置終了を宣言。

 

 

2009年2月18日

1ドル=35.984ルーブルをつけ

ようやくこの時代のルーブル安は

落ち着くことになりました。

 

 

 

詳しくは、こちらもぜひ(*´꒳`*)

 

【国立研究開発法人科学技術振興機構】

『ロシアにおける金融危機と政策対応』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjce/47/1/47_1_1_39/_pdf

 

『金融危機・石油価格下落下のロシア経済』

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees/2009/38/2009_38_4/_pdf/-char/ja

 

 

成長と安定と宿命と

 

長く続く高成長から、

さらなる成長の為の

規制の撤廃・自由化が、

 

 

アメリカの景気減速や

世界に広がった金融危機などによって、

 

 

早いタイミングで

苦い側面が噴出してしまい、

マイナス成長となった時代でした。

 

 

さらなる成長を望まなければ?

自由化というリスクを手にしなければ?

金融危機がもっと先であれば?

 

 

違った歴史になっていたかもしれませんね。

 

 

ですが

国は安定を維持する為にも

成長し続けなければなりません

 

 

その為には

リスクを取って

一歩を進まなければなりません

 

 

ロシアもアメリカも、

そして各国同じくです。

この時代のマイナス成長は、

起こるべくして起こった揺り戻しでした。

 

 

そして

リスクをとって

進まなければならないのは、

私たち投資家も同じ(*´꒳`*)

 

 

 

先に進む一歩には

良い面があれば悪い面もあり、

 

 

悪い面には

対処できる準備をしながら、

(ロシアで考えると外貨準備がその一つ)

 

 

良い改革や変化を続け

成長を手に入れていきたいですね(*´꒳`*)

 

 

それでは次回は

2014年以降のロシアを取り上げます^ ^

 

 

どうぞお楽しみに!

 

 

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