GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.542
中央銀行がこぞってデフォルト危機って本当?
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


イスラエル軍と
戦争状態にあったハマスは
人質を一部解放するなどして
戦争終結に向けて動き出しつつあります。


一方で、
アイルランドやデンマークを筆頭に
世界各地で不法移民との対立が激化、
場合によっては激しい暴動が起きるなど


依然として地政学的リスクは
地球規模で高まりを見せています。
未曾有のパンデミックが落ち着いた
いわゆる「アフター・コロナ」の世界において


不確実性=リスクが高まり、
資産運用も簡単ではない時代になりつつあります。


ゲーム・チェンジが起きた今、
これまでの常識なり概念が通用せずに
あることをきっかけにガラリと変わってしまう・・・。


その時に皆さんの大切な資産を毀損しない為にも
まずは徹底的に情報武装を心掛けて、
速やかにアクションに繋げましょう!
目次
スイスもスウェーデンも中央銀行がデフォルト危機に!?
過去10年で100兆ドルも増えた世界債務 やってることは・・・どの国も同じ!
主要国の金融政策+物価動向まとめ 景気後退回避とインフレ抑制の《ウルトラC》は果たして可能か!?
スイスもスウェーデンも
中央銀行がデフォルト危機に!?
長期に渡って世界的に
金利が高止まりしていることから、
保有している債券や株式の価格が下落し、


機関投資家や年金ファンド、
あるいは大手保険会社などの財務体質
=バランスシートが悪化していることは


リテラシー高く
情報収集されている
GIA通信の読者様ならご存知のことかと。


例えば、
先月末のロイターの記事によれば
スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が、


2023年第3四半期に
約120億4000万フラン
(日本円にして約2兆円)の損失を
計上したという報道がありました。
またその前にも、
現存する最古の中央銀行である
スウェーデン国立銀行=リクスバンクが、


議会に対してベイルアウトの
依頼をしたことが発表されています。


ベイルアウトとは、
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、
破産の危機に瀕している企業や国に
資金援助を提供することを指す用語です。


国の中央銀行が
破産の危機に瀕しているなんて、
俄かに信じられませんよね・・・汗


でも、、実際に今、、、


現在進行形で起きていることなのです!
過去10年で100兆ドルも増えた世界債務
やってることは・・・どの国も同じ!
スウェーデン国立銀行=
リクスバンクはスイス銀行と同じく


昨今の金利急騰に伴う保有債券の
下落によってバランスシートが大きく毀損。


リクスバンクの総裁は


「長期的に独自の経済政策を行うのに
必要な信頼を保つ必要があるとして、


最低でも約70億ドル
日本円で約1兆円の
資本増加が今すぐ不可欠である」



以下の記事ではそう書かれています。


このリクスバンクは、
2022年の会計年度において800億クローナ、
日本円にして約1兆円の損失を計上しており、


現在自己資本は
マイナス180億クローナ、
日本円にして約2400億円の
債務超過となってしまっていたのですね・・・。
少し前に出ていた
ロイターの記事によれば、


国際金融協会(IIF)が公表した
2023年第2四半期末時点の
世界の債務残高は307兆ドル、


日本円換算で約4京5743兆円!と、
過去最高に達した模様で、


債務は23年上期に10兆ドル増加し、
過去10年で100兆ドル増えたと伝えています。
上記にあげたスイスと
スウェーデンの2カ国の中央銀行は、
単なる氷山の一角であり、


米国の中央銀行であるFRBも
欧州の中央銀行でもあるECBも
やっていることは同じですし、


日銀もここ最近、
金利上昇圧力をより感じるようになりました。


程度の差こそあれ、
状況はほぼ同じだと思いますし、


決して破綻しないと
思われている中央銀行ですら、
実はそうでもないということを示す良い例だと思います。


万が一・・・・


その国の中央銀行が
破綻などすることになれば、
その国の通貨の信用力は
どうなってしまうのでしょうか・・・?
主要国の金融政策+物価動向まとめ
景気後退回避とインフレ抑制の
《ウルトラC》は果たして可能か!?
先進国9か国は
2021年9月以降に合わせて
3,965ベーシスポイント(bps)の
利上げを行いました。


タカ派からハト派までの
中央銀行の立場は次の通りですが、
これをみても日本だけ完全に
蚊帳の外にあるのがよくわかります。


日本も諸外国に追随して
利上げしたいところですが、
利上げすれば利払い負担がますます
増大しますから容易にできない訳で、


その結果日本円がどの国の通貨よりも
売られてしまう悪循環に陥っています。。涙
さて、改めてここで
主要国の政策金利と
物価の動向についてまとめておきます。


ある ”1ヶ国” を除いては、
いずれもインフレを
抑制出来つつあるように思えますが、


このタイミングで景気対策として
利下げを含めた金融緩和策に戻ってしまうと、
インフレの第2波を生み出すことになりかねないので、


中央銀行はなかなか難しい
舵取りを強いられています。
1)米国

政策担当者らはすでに
インフレを抑制できるほど
金融環境が逼迫しているのか、


あるいは
予想を上回り続けている経済には
さらなる抑制=金利引き上げが
必要なのかを判断するのに苦労する中、


11月FOMCでは
政策金利を5.25〜5.50%に据え置きました。


FRBが金融引き締めを終えるのでは?
という期待感から市場は反発しました。
2)英国

イングランド銀行は、
政策金利を過去15年間の最高水準に据え置き、
「インフレリスクは上向きに偏っている」と強調しました。


また同時に、
現在停滞している英国経済は
2024年にもまったく成長しないだろうとも述べ、


利下げの可能性は
2024年8月以降になる
との見込みが依然として強い模様。
3)ユーロ圏

欧州中央銀行(以下、ECB) は、
インフレ率が目標の2%に
徐々に低下していることを示唆し、
主要政策金利を4%に据え置きました。


インフレ率が急速に低下して
景気減速の兆しが強まる中、
投資家は近いうちに利下げへ向かうと予測しており、


短期金融市場は
2024年4月までに25bpの
利下げを織り込んでいる模様。
4)カナダ

カナダ銀行は10月25日、
重要な翌日物金利を5%に据え置いたことで、


金融引き締めサイクルの
一時停止が当面続くと見ている模様。


しかしながら
カナダ銀行のマックレム総裁は


需要過多の状態が収まり、
低成長が今後数カ月続くと見込まれることから
金利はピークに達した可能性があるとの見方を示しました。


中銀はインフレ抑制に向け
昨年3月から今年7月まで10回利上げを行い、
政策金利は22年ぶり高水準の5.00%に達しています。
5)オーストラリア

住宅価格が過去最高値近くまで
回復していることをデータが示し、


国際通貨基金がインフレ抑制に向け
金融・財政政策の引き締めを勧告したことを受け、


オーストラリア準備銀行は
政策金利の誘導目標を0.25ポイント
引き上げて4.35%と12年ぶりの高水準としました。
6)スイス

安全資産の代表格でもあるスイスフランは、
ガザ紛争勃発で多額の投資資金がリスク回避的に流入し、
10月20日に対ユーロで2015年以来の高値を付けました。


強力なフランは
SNBのインフレ抑制に貢献しており、
10月のインフレ率は1.7%まで低下しましたが、


国内経済が停滞している現在、
スイスの輸出も脅かされている状況が続いています。
7)日本

一人蚊帳の外である我々日本の状況ですが、
日本銀行(以下、日銀)は超低金利を据え置きましたが、


長期借入コストのさらなる上昇を許容するため、
物議を醸している10年債利回りの上限1%を微調整しました。


日銀はまた、
今年と来年のインフレ率が
目標の2%を大きく上回るとの見通しを示し、
物価見通しを引き上げました。


ただ、どうでしょう・・・


今年来年それぞれ1.6%と
見通しているようですが、
今の足元の環境を考えると、


「甘すぎねえかい!」
と思っているのは、
おそらく私だけではないかと。。。汗
以上の通り、
各国中央銀行は強烈な
インフレに対峙(退治)するためにも、
この2年間に積極的な金融引き締め策を講じてきました。


米国経済は現在のところ
比較的大きな経済停滞に
陥っているようには思えませんが、


その他多くの国では経済成長が鈍化し、
インフレが緩和しつつある中で、


金融市場の焦点は
中央銀行がいつ政策緩和を
開始するかに移っていると言えるでしょう。


「経済を殺さず
景気後退させないで
インフレを抑制する」



40年ぶりの
《ゲーム・チェンジ》が発生した今、


こんな「ウルトラC」的な
ソフトランディングができるのは
一体どこの国でしょうか?


そして中央銀行は
絶対に破綻しないという
「神話」が崩壊するのは
いつでしょうか?


もしかすると・・・・
そう遠くない未来かもしれませんね(汗
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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