GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.534
たった7年で100→957へ上昇した海外不動産の実態!
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


金曜の日経新聞の記事に
こんな景気がよい話が記載されていました。
うーん、、、、


もともと
地価の高い都心5区
(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区)
の話ならまだしも、


東京23区全体での話となると、
さすがに

「たっかいなー」

という感じがしますが
あなたはどう思いますか?


こうした環境の中で、
では海外の不動産市場はどうなのか?


今週はそこに触れてみたいと思います!
目次
たった7年間で《100→957》に!? ハイパーインフレ状態のトルコ
堅調な国内不動産価格も世界的に比べると全然!?
コロナ禍での量的緩和策が各国の不動産価格を下支え!
実質ベースでもトルコ不動産が最強! 強い買い需要が生まれた背景とは?
世界の中で唯一デフレに苦しむ中国の不動産市場はどう?
たった7年間で《100→957》に!?
ハイパーインフレ状態のトルコ
今回は
OECD(*)が出している
最新のレポートを取り上げます。
以下のグラフは
OECD加盟国(全38カ国)の中で


2015年の価格を100とした時に
2023年第二四半期時点に至るまでに(約7年間)
どのように変化したのかを示したものです。


やはり1年間とか
短い期間で動きをみても
本来の姿が見えてきませんので
今回はこちらを採用しました。


これによれば、
OECD全体平均で
[171]となっています。


2015年に
100だったものが
171ということは


単純に7年間で1.7倍、
つまり年率換算で10%程度
伸びたことになります。
また、OECD加盟国中で
最も価格が上昇した《トルコ》


同第二四半期時点で[957]
とんでもないことになっています・・・汗


この理由については後述しますが、
現在トルコでは物価上昇率が
一時年率80%を超える、


いわば
【ハイパーインフレ】
近い状態が継続してたことから


名目ベースで不動産価格を見ると
こういうことになります。
堅調な国内不動産価格も
世界的に比べると全然!?
一方で、
先週のGGM通信で取り上げた
日本の不動産価格はどうかというと、


このデータベース上では
100だったものが[128]となっており、


同様に考えると
年率で4%程度の伸びに
とどまっている計算になります。


「あれ、おかしいな、
 もっと高いはずでは・・・?」



そう思った人もいることでしょうw


例えば先週お見せした
こちらのグラフで考えると
2015年頃と比較して足元では
ざっくり1.5倍程度になっています。
ただ、こちらは
あくまでも


『首都圏』
『中古マンション』
に限った話であって


日本全体の不動産市場を
表しているものではありません。


別の資料にはなりますが、
下のグラフは全国の不動産価格が
用途別に示されたものですが、


Condominiums
=マンションの価格だけ
飛び抜けて高い上昇率を見せている中で


Detached Home
=戸建てについては


2015年を基準とすると
2割弱程度しか上昇していない
ことがわかるかと思います。


ということは、
下のグラフでいう
赤線=Residential Propertyが、
日本全体の不動産価格という訳で


これを見ると2015年比で
やはり1.24倍程度にとどまっており、
先程のOECDのデータと整合性が取れます。
国内のメディアから流れてくる
日々の情報だけで考えると


国内不動産価格は
この10年間でかなり上昇した!
そう思っている人が多いですが、


こうして世界を
ざっと見渡してみると、


日本より
もっと不動産価格が
上昇した国が多いことを
改めて気付かされますね!


むしろ日本は
OECD平均を大きく下回り
下から数えた方が早いのです・・・汗
量的緩和策→過剰流動性資金が
各国の不動産価格を下支え!
ハイパーインフレに近い
トルコがいるお陰で
他の国の動きが見えづらいので(苦笑


一旦ここでは
G7の先進諸国に絞って話をします。
G7先進諸国の中では
米国の不動産価格が最も上昇し、


2015年と比べて
約1.8倍になっています。


米住宅価格を示す
代表的な指数である
ケースシラー住宅価格指数でも
2015年以降の推移を知ることができます。


昨年以降連続して
利上げを行ってきた関係で
住宅価格は下落傾向にありましたが、


ここにきて再度
反転してきたように見えます。
今週金曜の
日本経済新聞の記事によると


6月の中古住宅販売価格(中央値)は
41万200ドル(約5700万円)と
前年同月比で0.9%下がったものの、


下落率は
5月の3.0%から縮小し、
価格はデータを遡れる
1999年以降で2番目の高さを記録した模様。
こう考えると
現在足元でインフレ圧力が
弱まってきている米国ですが、


7月以降、
利上げの停止が現実的な中で


このように住宅価格が
再度上昇していくようになると
再度利上げの議論が出そうな感じですね。


そうなると
また《ドル高円安》の流れか・・・!?
(ザワザワ・・・)


一方で、欧州はどうでしょうか?


以下のグラフは
『Trading Economics』上での
英国不動産価格の推移ですが、


英国でも米国に似たように
右肩上がりに上昇しているものの


特にコロナ禍で
量的緩和策を講じた結果、
不動産価格の上昇がより一層
大きくなったことがわかります。


またこちらも同じく
不動産価格が反転の兆しを見せています。
これらの傾向は
上記2カ国に限った話ではなく、
世界各国で発生している共通のお話であり、


過剰流動性相場が
世界各国の不動産価格を
押し上げてきたことがはっきりわかります。
実質ベースでもトルコ不動産が最強!
強い買い需要が生まれた背景とは?
先程のOECDでのデータは
名目ベースのものでしたので、


トルコのようにインフレが
発生している国の不動産価格は
当然高くなりますよね・・。


よって、
インフレの影響を排除した
実質=Realでの不動産価格も
この際にしっかり抑えておきましょう。


※名目と実質の違いについては
経済指標をみる上ではとても大事なので
わからない人はまずは自分でお調べくださいね!
世界の不動産マーケットの
最新情報が記載されている

『Global Property Guide』


こちらに実質ベースでの
2023年第一四半期のデータが
ありましたので確認していきましょう。
まずは上位20カ国だけを
抜き出したのがこちら!


2023年第一四半期において
前年同四半期対比で伸びが高い順に
ランキング形式となっています。
少し見え方が変わりました^^


ただ、
実質ベースに置き換えた数字でも


トルコ不動産が世界で
最も上昇していることに違いはなく


2023年第一四半期時点で
前年同四半期対比で+54.75%、


1年前と比べて
不動産価格が1.5倍になり、


前四半期対比でも+8.53%と
高い伸びが続いています。
これは現地通貨のリラが
急激な通貨安に見舞われていることで


海外からトルコ不動産に対する
強い需要が生まれたことが要因です。


また、
不動産を購入すれば
居住ビザだけではなく


市民権(パスポート)を得られる
特別なビザプログラムを導入したことも


中東諸国を中心に
海外からの強い買い需要を
引きつけた要因として挙げられます。


さらに、
ウクライナ情勢が悪化、
あるいは長期化しているなかで


ロシア人富裕層を中心に
資金逃避の動きが活発化
していることも重なって、


トルコ国内の建設投資の金額が
うなぎ登りとなっている
という背景もあるようです。
トルコ以外で言えば


北マケドニア(同+12.65%)、
ポルトガル(同+8.49%)、
ドバイ、UAE (+8.08%)が続き、


東南アジアの
ベトナム・ホーチミン (+6.74%)
シンガポール (+5.59%)
がそれに続く形となっています。


Global Property Gudeの
詳しいレポートが見たい方は
こちらからダウンロードできますよ!
(レポートは英語のみ)
世界の中で唯一デフレに苦しむ
中国の不動産市場はどう?
一方で、
世界の中で珍しく
日本と同じ金融緩和策を
継続しているお隣中国。


不動産マーケットについては
好調な日本とは違って
苦しんでいるようです。
中国国家統計局が
17日に発表したデータによると、


6月の不動産販売(床面積ベース)は
前年同月比で▲28.1%減と、
5月(▲19.7%減)より大幅なマイナスに。
また、
主要70都市の単純平均でみると、
6月の中古物件の価格は前月比▲0.4%低下。


21年夏からの値下がりは
「ゼロコロナ」政策終了後の
今年2月にいったん止まったものの、
5月から再び下落局面に入った模様です。
中国経済のおよそ
4分の1を占める不動産セクターが
依然として下降トレンドですから


中国経済としても
苦しい状況が続きそうです。


「価格は上がり続けるもの」
という種の《住宅神話》
大都市でも崩れつつあり、


投資も含めた
住宅購入意欲が弱まれば、
不動産市場の構造的な調整は
相当長引く恐れもありそうですね・・・。
いかがでしたでしょうか?


海外不動産と言っても
国が違えば状況も違うので
ここでカバー出来るのも限界がありますが、


その中でも最新の動きが
少し見えてきたかと思います。


投資を成功させるには
もちろん一番安く買って
高い時に売れれば最高ですが、


そんなことが出来る人は
プロの投資家でも難しい訳で・・・


ですので、
あまり欲張らず、
点で追うことはせずに


もっと大きな流れ、
トレンドを掴むことに
意識を集中させる方が良いでしょう。


そのためには
今回ご紹介したマーケット情報も
定点観測的にある期間を
継続してみていくことが大事です^^


引き続きこのGIA通信では
各々のリテラシー向上を目的として


日本国内の情報に限らず
世界の動きがわかるような
情報なりコンテンツを
配信していきますのでお楽しみに!
GIA通信を読んだ
ご意見・ご感想も
お待ちしていますので
ドシドシお寄せください^^
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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