GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.471
アレを持つか持たないかで世界は二分化
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


いきなりですが
まずはこちらのチャートをご覧ください。


一体何を示しているか、わかりますか?
何かの価格推移ですが、
一つだけ仲間外れなものがありますね苦笑


リテラシーの高い皆様であれば
ほとんどの方がお分かりかと思いますが


こちらは主要8通貨(*)の強弱について
過去1ヶ月間の推移をグラフで表示したものです。


(*)主要8通貨
米ドル(USD)/ユーロ(EUR)/英ポンド(GBP)/
日本円(JPY)/スイスフラン(CHF)/豪ドル(AUD)/
カナダドル(CAD)/ニュージーランドドル(NZD)


一つの通貨だけが
他と全く違う動きをしています。


それこそが我々の通貨『日本円』


完全な1人負け状態です・・・涙


ちなみに少し期間を伸ばして
直近3ヶ月間にしてみたとしても
結果はほぼ変わらず。
そんな日本円とは対照的に
オーストラリアドル(AUD)や
ニュージーランドドル(NZD)の
強さが目につきます。


しかも興味深いのが
2月末を起点として
通貨の勝ち負けがはっきりしたこと。


上述した2カ国の通貨は
どんどん強くなっていき、


日本円をはじめ
ユーロ(EUR)や英ポンドなどが
弱くなっていることもわかります。


2月末のタイミングといえば
ロシアがウクライナに対して
侵攻を始めた頃と一致していますから


地政学的リスクに関する
何かの「差」なのでしょうか?
やはりアレを持ってる国は強い!
地政学的リスクからも好まれる豪ドル
この違いを一言で表すと
「資源を持っているか否か」ですね。


オーストラリアは
鉄鉱石や石炭の資源の輸出が多く、
鉄鉱石の生産量は圧倒的な差で世界一です。
製鋼用石炭 (原料炭) は
オーストラリアや北米、
ロシアなどの供給障害で需給が逼迫、
現在最高値圏で推移しています。


鉄鉱石も中国の
消費拡大観測などから急騰し、


昨年の底値から5割ほど
高い水準になっていることで
その恩恵をオーストラリアが
受けている格好になっています。
また、現在欧米を中心に
脱ロシア化の動きが強まっていますが、


オーストラリアはもともと
ロシアとの貿易依存度が低く、
ロシアとの政治・経済的な
結びつきが薄いことも


地政学リスクの回避の面で
豪ドルが選好される一因にもなっています。
また、資源国家であるカナダも
原油や天然ガスなどの輸出が活発で


今みたいに資源価格が高くなると
貿易収支の改善に繋がることで
カナダドルが買われます。
(=原油価格との相関関係が強い)


ニュージーランドは
資源国通貨と見られがちですが、
実は原油や鉱物などの資源は産出されず
乳製品・食肉など農業が産業の中心。


地理的な問題から
豪ドルの動きと似ることもありますが


どちらかというと今の強さは
世界的に食料価格が高騰しているのが
主な要因になっていると推測されます。
経済制裁を課すことで
自国経済が痛む憂鬱・・・
一方で通貨が弱くなっている
日本や欧州、英国などは資源を持たず
多くを《輸入》に頼っていますから


上記の資源国通貨とは真逆で
資源価格が高騰することで
貿易収支の悪化 (=赤字)に繋がり、


結果、通貨として人気がなくなって
売られる要因になる訳ですね。


しかも、
今回のウクライナ戦争が勃発し、
欧米を中心としてロシアに対して
厳格な経済制裁を発動。


つい先日も
経済制裁の追加措置として
EUはロシアから石炭を輸入することを
禁じることを決定しました。
もちろんこれは
ロシアに対する経済制裁ですが


心配なのは
ロシアにエネルギー供給を
依存してきた欧州自身にも
相当悪影響が出てくると思われます。
今回の輸入禁止は
あくまでも石炭が対象となり
ユーロ経済へ大きな影響を及ぼす
原油や天然ガスは対象から外されました。


果たして今回の措置が
《ブーメラン効果》として


欧州およびユーロにとって
どこまで影響が出るでしょうか?
個人的には
「相当ヤバい」と感じています。
(相当ってどの程度だよ・・・汗)


現在欧州の物価は
前年比+6%程度上昇していますが、


これにはまだ
ウクライナ戦争の
影響が加味されていません。


むしろ
やれSDGsだESGだと
環境問題から化石燃料を葬って


無策のまま
脱炭素化政策を強引に進めてきた結果、
その煽りを受けた格好になっています。
もしEUが石炭に続き
原油や天然ガスまで制裁の対象にしたら?


元々エネルギーが不足していた
欧州における天然ガス価格が
今後どうなるかは想像に容易いはず。


実際に天然ガスの価格は
昨年前半まで25ドル程度だったものが
今年の3月には225ドルと10倍近くも暴騰。


今は一旦落ち着いているものの
それでも昨年より4〜5倍程度も高いのです。
忘れてはいけないのは
エネルギー価格高騰を受けたインフレは
生活に直結するので避けることができません。


例えば、
小麦が高騰していれば
パンやパスタをやめて
米や肉・魚を食べれば良い。


不動産が高ければ
安い家にか安い地域に
引っ越しすれば良い。
(極端ですが・・・)


しかし
高騰する電気代だけは
いくら節約しても限度がある訳で


欧州国民の立場であれば
ロシアへの経済制裁も
心中穏やかでないでしょう。。汗
日本はますます貧困化に・・・涙
円安は国力低下を示す物差し
欧州よりも
もっと深刻なのが日本です。


冒頭に示した通り、
国力を表す通貨でも
売られまくっています・・・涙


円安が加速する要因については
色々なメディアでも取り上げているので
そちらでご確認いただくとして、


一人当たりGDPしかり
購買力平価での実質賃金しかり
世界は上昇を続けているのに
日本だけが全く上がりません。
世界の物価を比較する際に
よく使われる《ビッグマック指数》では


中国や韓国に次いで
物価が安い安い!と
騒いでいる東南アジアの
タイにまで抜かれている始末。
上記は単なる一例ですが、
色々な数字を見ていくと


日本人がどんどん貧乏になっていく。


あまり信じたくないのですが
そう思えてなりません。


日本が30年連続で
世界最大の債権国であるように
対外純資産が多いことは良いことですが


通貨は国力を示す尺度でもある中で
ますます円安=日本売りが続くのは
一国民として悲しいものですね。
2022年はこれまでのルールが
ガラリと変わる【ゲームチェンジ】の年です。


2022年の投資戦略を考える上では、
昨年後半からお伝えしてきている通り、
やはり【インフレ】【円安】


この2つへ対策が
絶対的に必要であることは、
今一度皆様へお伝えしておきますね!
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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