GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.457
超富裕層が大量の自社株売りでも混乱しないカラクリ
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


英国では新型コロナウイルスの変異株、
オミクロン株の新規感染者数が急増、
1日では過去最多の7万9000人まで増加。


それ以外の国や地域でも
これまでにない速さでの感染拡大に
また景気回復の腰折れ感が漂っています。


また一方で、
15日に行われた米国FOMCにて
FRBは量的緩和縮小(テーパリング)の加速を決定。


2022年中に3回の利上げを実施する
予定であることも同時に発表しましたが、
すでにマーケットは織り込み済みとのことで
安堵感から米国株式市場だけでなく
日本の株式市場も上昇しました。


しかし金曜には
英中銀が予想外の利上げを発表した後、
ECB もテーパリングの一時加速を発表しており
世界的な金利上昇懸念が再浮上。


今週の株式相場は方向感が定まらない
綱引き状態だったように思えます。


個人的には
オミクロン株の影響は
騒がれているほどの深刻度はない


そう思っています。


どちらかというと、
これまで過度に上がりすぎた
株式相場の調整に使われている・・・


その要因が強いような気もしますが、
みなさんはどう思いますか?
株式相場の今後の動き、
「上がるか下がるか」については


プロの相場師か
経済アナリストの方にお任せするとして


今日のGIA通信では、
米国内で起きている
《ある特殊な動き》についてお伝えします。


これを知ったら
現在株式投資をされている方は
正直ソワソワしちゃうかも、です^^
1ヶ月で約6兆円もの自社株売り!
米国株式市場で一体何が・・・?
日頃からアンテナ高く
情報を入手されているGIA通信の
読者様ならご存知かもしれませんが、


これまで米国株式市場の上昇を
けん引してきた【GAFAM】といった
巨大テック企業のトップたちが
今年に入り続々と自社株を売却しているのです。


ウォールストリートジャーナル(WSJ)が
調査会社インサイダースコアの
データを分析したところ、


2021年1月〜11月までに
インサイダー(企業関係者)による
自社株の売却額が


2016年〜20年の平均売却額の
4倍近くに相当するほど
増えていることが判明。


しかも11月は過去最高額の
156億ドル(約6兆円3千億円)と
とんでもない金額になっていたのです!
さらには、
自社株を売却した48人の企業経営者が
1人当たり2億ドル(約227億円)超を
得ていることも分かったと伝えています。
あまりの金額の大きさに驚きますが、
《過剰流動性相場》の追い風を受けて
非常に好調であった株式市場の裏で


今まさにこのような動きが起きていること、
ご存知でしたでしょうか?
あの人もこの人も・・・・
超富裕層がこぞって自社株売り!
ご存知なかった方のために
いくつか実例を紹介しちゃいます^^


米誌タイムが年末恒例の
「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」
に選んだイーロン・マスク氏。


ご存知の通り、
同氏は電気自動車テスラや
米スペースXなどを率いる起業家ですが、


テスラ社の株高によって
マスク氏自身の個人資産も右肩上がりに伸び、


10月末の時点で彼の総資産額は
世界の他の富豪でも遠く及ばない
3000億ドル(約34兆円)になったとか (スゴっ!)
そんな世界一の大富豪ですが、
今年9月以降に行った自社株の
売却は累計で920万株であり、
金額に直すと約99億ドル(約1兆1千億)。


また同氏は持ち分の10%を
売却すると正式に表明していますが
現時点でその半分を売却したことになります。
グーグルの共同創業者である
ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏。


彼らは2017年以降、
アルファベット株を売却しておらず、
その間に株価は2倍以上も上昇しましたが、


今年の6月に合計で
約4億5千万ドル(約510億円)
相当の自社株を売却しました。


売却した理由については
二人ともこれまで明らかにしていません。
米メタ・プラットフォームズ社
(旧フェイスブック)の創業者である
ザッカーバーグ氏も
大量に自社株を売却した一人。


同氏はこの1年で約45億ドル
(約5100億円)の自社株を売却していますが、


上半期の180日のうち
136日で売却していたそうで、
毎日平均して1200万ドル相当を
コツコツと売却していた計算になります。


1日あたり13億円以上もの
金額の株式を売却するのに


彼らのような大富豪でも
携帯のアプリを使って
ワンクリックで出来ちゃうのですかね?汗
米マイクロソフトのCEO
サティア・ナデラ氏は11月に入り、
自身が保有する自社株の半数を売却、
約3億7400万ドル(約420億円)を得た模様。


そして大トリは
マスク氏と並んで
世界一の大富豪である
米アマゾンの創業者・ジェフ・ペゾス氏も


今年7月にCEOを退任する前に
1週間余りで200万株の自社株を売却し、
およそ66億ドル(約7530億円)の売却益を得ています。


当然売却する理由は人それぞれでしょう。


そもそも企業経営者が
株式を売却する際に
その理由を説明する義務はなく、
説明する経営者はほとんどいません。


ですが、
彼らが自社の経営状況については
誰よりも詳しいはずですし、


株式市場の動きについても
とんでもない情報網を持っているはず。


それゆえ、
彼らは何かを知っているか
何かの動きを察知した上で、


「今がその絶好の売り時だ!」
→ 近いうちに暴落もしくは値崩れが起きる


と思っての行動ではないか・・・?


そう勘ぐりたくなるのは
きっと私だけではないでしょう。
富裕層狙いの増税が予定される中で
年内駆け込み需要(=売却)発生か!?
一方で、こんな情報もあります。


ここ数ヶ月で多くの経営者が
多額の自社株売りをしている背景には、


民主党が推進する
「ビルド・バック・ベター法案(通称BBBプラン)」
が関係しています。


この法案の中では
大企業や富裕層への増税策が盛り込まれています。


その増税が正式に決定される前に
いち早く利益を確定して売り抜けたい!


そういう思いがあっての行動だ
とするのが一般的な見方なようです。


日本でも所得税については
累進課税になっていますが、
米国でもそれは同じ。
(最高税率は日本の方が高い)
ですので、
もし増税になれば
彼らはとんでもない額の税金を
納めることになるので
その気持ちは理解できます。


でも彼らの多くは
今の株式市場が完全にバブルであり、
今後近いうちにバブルが崩壊するのでは・・・


そのような懐疑的な見方があっての
大量の自社株売却に繋がっていると
考えると辻褄が合うような気がします。
大量の株式売却でも株価が下がらない
そのカラクリはこれだ!
でも、ふと思いませんか?


これだけ大量の自社株を売却してたら
その企業の株価は暴落するはずなのに
あんまり影響が出ていないのは何故か、と。


確かにこれまで
目立ったニュースはありませんでしたよね。


実はこれには裏があるのです。


経営者や企業関係者が
大量に売却した株式は
その後会社が買い戻しているのです!


これをBuyBack(自社株の買い戻し)と言います。


このBuyBack自体は何も珍しいことではなく
日本企業でも行われていることです。


しかし
米ゴールドマンサックスは
「過去最高額の買い戻し取引が起こっている!」
と伝えています。
もし企業による自社株の買い戻しがなければ
インサイダーと言われる経営者や企業関係者は
とんでもなく安い価格で市場で
売却せざるを得なかったでしょう。


この取引の是非について
ここで議論することはしませんが、


実際に米国株式市場では
一部の富裕層がこのような動きをしており、
さらに巨万の富を築いているのです。
2021年も残り2週間弱ですが、
皆さんにとって今年は良い年になりましたか?


私自身は大きな病気もせず
健康に過ごせたことが何よりも良かったです^^




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詳細は年明けにご連絡しますが、
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今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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