GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.415
世界が大注目のデジタル通貨は救世主?あるいは・・・
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


今回本編で取り上げた中央銀行デジタル通貨ですが、各国政府主導で本格的に稼働させたい背景の一つに、あまり公には言えない狙いがあると思います。


続きは【編集後記】にて
自らの呟きで約20数兆円吹っ飛ぶ!?
マスク砲がBTC市場を翻弄する
ツイッター砲といえば、トランプ前米国大統領の「十八番」でしたが、このお方の呟きもなかなかなもので、時にウォール街だけではなく、暗号資産投資家まで震え上がらせます。


それ故か、不幸にもなのか、はたまた何か他の意図があってのことなのか・・・・


真実のところはわかりませんが、自らが発したひと言で、資産をたった1日程度で約20数兆円ほど毀損させるとは、夢にも思ってもなかったでしょう。
テスラ株は23日朝、前日比で一時10%以上下落。ビットコイン投資を発表した今月8日からの下落率は25%を超え、時価総額はおよそ2150億ドル(約22兆6000億円)減り、約6200億ドル(約65兆3000億円)となった。(2/23付け Bloomberg)
ご存知の方も多いかと思いますが、米大手電気自動車メーカーであるテスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏は先週末「BTCとETHは高くみえる」とツイッターに投稿。
このことをキッカケに暗号通貨の価格は大幅に下落し、マスク氏自身もテスラ株が急落したことで152億ドル(約1兆6000億円)の資産を失ったと報道されています。


もちろんそこで売却してないでしょうから、あくまでも一時的に、ではありますが、たった1日で20数兆円もの大金を失う気持ちって、一体どんなものなんでしょうかね・・・汗


マスク氏は、1月には「ビットコイン」のことを度々ツイートし、2月8日にはテスラとしてビットコインを1,500億円程度購入したことを明らかにするなど、ビットコインの将来性に期待するような言動が続きました。


それらを受けて暗号資産市場が急騰し、史上最高値を連日更新するなど、まさに「天井知らず」の賑わいを見せていました。
(Trading View「History of BTCUSD」から引用)


そして今回の急落・・・・


なんかマスク氏一人の発言でこれだけ相場が動いちゃうのは、投資対象としてどうなのかなーと不安に感じさせられちゃいますよね、、、汗


以前のGIA通信でも度々取り上げていますが、このような要人の発言は、すべてが本心ということもなく、ポジショントーク的な意味合いも含めて出されることが多いので、それらを鵜呑みにすることがないようにお気をつけくださいね!
代替資産として人気のビットコイン
果たして未来永劫続くのか・・・?
ビットコインを含む暗号資産については、年を重ねるごとに社会的認知度も上がってきています。


各トークンの関係者だけではなく、大手一流企業などもどんどんと暗号資産業界に参入する動きもあってか、今ではお年寄りから小学生に至るまで「びっとこいん」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。


中央銀行の意思によって際限なく数量を増やすことが出来るフィアット(法定通貨)と違い、ビットコインなどのトークンはもともと発行枚数が限られて設計されていますので、需要と供給のバランスで価格が上下動します。


ですから、将来的に欲しいという人がいればいるほど価格は値上がり、今のような価格形成になっているのですが、金や不動産などの現物資産と根本的に違うところは「実態がない」という点です。


特に考えておかないといけないことは、現在各国で真剣に議論が進められている《中央銀行デジタル通貨》の存在です。


これが正式に世界中で導入・採用されたら、果たして代替資産としてのビットコインの位置付けはどうなるのか、ですね。


ある日突然、「今後デジタル通貨としてビットコインは認めません!」なんていう可能性だってゼロではないはず。


「こればっかりはその時になってみないとわからない」


その通りではありますが、投資で成功するためにはそうした未来・将来を自分なりに想像し、「〇〇になれば△△△になる」というシナリオを複数用意しておき、それらに対するアクションを能動的に取っておくことは大事なことです。
「ホールセール?」「リテール?」
今世界が注目のCBDCとは?
さて、この《中央銀行デジタル通貨》。みなさんはどこまでご存知ですか?


「中央銀行デジタル通貨(=Central Bank Digital Currency, 以下CBDC)」は、現金通貨と同じく中央銀行が発行する通貨で、現在の紙幣がもつ決済機能と価値貯蔵機能に供される中央銀行の負債、と定義付けされています。


また、BIS(国際決済銀行)の分類によれば、通貨とは以下の4つの組み合わせによって分類されます。
・発行体(中央銀行か否か)
・形式(物理か電子か)
・利用者(一般利用可能か利用者が限定されているか)
・決済手段(振替による口座型かトークンの移転によるトークン型か)
上記の分類に基づけば、現金の通貨は「中央銀行が発行した、一般利用可能な、トークン型の、物理通貨」と解釈することができます。


同様にCBDCは、「中央銀行が発行した、一般利用可能な、トークン型の、電子通貨」に分類されます。
また、CBDCには2つの種類、「ホールセール型」「リテール型」があります。


「ホールセール型」は、金融機関間の大口の資金決済に利用することを主な目的として、中央銀行から一部の取引先に提供されます。


これは、利用者を一部の先に限定した電子的な中央銀行マネーという点で、民間銀行が中央銀行に保有する当座預金と共通していますよね。


一方の「リテール型」は、個人や一般企業を含む幅広い主体の利用を想定したもので、現在の現金通貨(銀行券および貨幣)と同様の機能を有するものになります。


ユーザーは、場所や時間を問わず、スマートフォンやICカードなどを用いて、中央銀行から発行された通貨を日々の買い物などに使用することが可能となるようです。


これらの使い方は、現在我々の日常で確実に浸透しているニューノーマルですから、違和感なく使っていけそうですね^^
コロナとリブラが通貨の概念を変えた!
では、なぜ最近急に、中央銀行家や政府関係者、民間事業者のなかでこのCBDCが話題の的となっているのでしょうか?


一つの理由としては、新型コロナの感染が世界中で拡大し、世界各国で個人への経済支援としての現金供給を行うに際し、透明性を保ち記録するニーズが高まっていることです。


また、ビットコインなどの暗号資産の拡大によって、中央銀行が中心となって維持してきた金融システムの不安定化や、自国通貨の流通量が減ることによる金融政策の効果低減、さらには通貨を発行したことによる利益(=シニョレッジ)の減少などが危惧されたからだとも言われています。


もちろん、以前からCBDCに関する議論はありましたが、ビットコインの価格変動の大きさから、やはり法定通貨にとって替わることはないとの認識が広まり、議論は一旦下火となっていました。


しかしながら、Facebookによるリブラ構想(独自デジタル通貨)が状況を一変。


Facebookは全世界で約27億人もユーザーがいることから、すでに大きなプラットフォームが出来上がっているという強みに加えて、主要国の法定通貨を裏付けとした通貨バスケット制を採用することで、ビットコインなどの弱点である価格変動リスクを克服しようとしました。


このことから、各国中央銀行で発行している法定通貨が、こうしたデジタル通貨に置き換わってしまうことを脅威に感じ、再度真剣に議論され始めた、ということらしいです。
CBDCを発行するメリットとしては、現金を輸送・保管するコストやATM の維持・設置費用を低下させる効果があります。


また、後進国の国民など、銀行口座を持てない人でも金融にアクセスできるようになりますし、脱税やマネーロンダリングなどを未然に防ぐという狙いもあります。


また、Paypalや楽天ペイなどの既存キャッシュレス決済は、サービス間の相互運用性が低いことで逆に利便性を下げていますから、仮にCBDCが発行された場合、そのマイナス面をカバーすることに繋がります。
まだまだ様々な課題が山積みのCBDC
世界は、そして我々はどう動くのか?
一方で、CBDCがあれば、他の民間電子マネーは不要になる可能性もあり、今日まで相当な大金をかけて技術開発してきたキャッシュレス決済会社からは、相当の反発がくることは容易に想像できます。


これまで汗水垂らして研究開発と設備投資をしてきた民間企業から、多くの収益機会を奪うことにもなりかねません。


さらに深刻な問題は、現在のお金の供給は、中央銀行が発行した通貨を民間銀行が信用創造機能を通じて市中に流通させる二層構造となっていますが、CBDCが現金通貨とは異なる扱いとして普及し、民間銀行の預金残高が減少することで信用創造機能が縮小し、市中に十分な資金が行き渡らなくなる可能性が懸念されることです(現金通貨と同様の立ち位置での扱いの場合は、信用創造の構造を直ちに破壊するものにはなりません)
この辺のメリット・デメリットをどうバランスをとって行くか、これがまさに今世界各国で検討が進められている段階ですが、国によってそのステージが異なります。


スウェーデンやノルウェーなどのキャッシュレス化が進んでいる先進国で、こうした国は国自体のキャッシュレス化が大幅に進んだ一方で、現金を利用できる店が減少し、銀行口座を持っていない人が買い物を自由にできないといった問題が深刻になっています。


ちなみにスウェーデンでは、社会にどれだけ現金が出回っているかを示す指標の一つ、現金流通高対名目GDP比が2%以内と、国内からもはや現金が消えた!?というレベルかと。


また、銀行口座の保有率が低く、ATMなどのインフラも未整備な新興国では、インフラを新たに整えるよりもスマートフォンのアプリなどで使えるCBDCを導入することの方がメリットが大きく、実際に昨年10月には中南米のバハマ諸島にて世界で初めてCBDCの正式運用が始まり、その8日後にカンボジアでコバンという名のCBDCが運用されました。


また、AlipayやWeChatPayといったスマートフォンによるキャッシュレス決済が浸透している中国では、すでに一般消費者を巻き込んだ実証実験が繰り返されており、デジタル人民元の発行による世界の基軸通貨の覇権争いに名乗りをあげています。


何れにしても、様々な制約と課題は残されつつも、我々の生活と切っても切り離せないお金がデジタルの世界に移行していく流れは、今後ますます加速していくことは間違いなさそうですね!
そして、今世界中でこれまた注目の的になっている《グレートリセット》


今回取り上げたCBDCとどう関わり、社会を、そして我々の生活をどう変えていくのか・・・?


個人的には全く関係ない動きとは思えませんが、みなさんはどう感じていますか?


このグレートリセットもCBDCも、どちらかというと管理社会的な動きがあるのに対して、ビットコインなどは非中央集権型の正反対な立ち位置。


管理したい側とされたくない側の構図がはっきりと浮き彫りになっていること、とても興味深いですよね!w


何れにしても、投資家として大事なことは、これまでの常識に捉われることなく、常に進化し続けていくことが我々には求められていますので、しっかりと最先端の情報を入手出来るアンテナは磨いておいてくださいね!
編集後記
このCBDCの詳しい仕様はわかりませんが、やはりブロックチェーン技術が根底にあり、誰から誰に渡ったのかがトレース出来るのが強みの一つかと。


であることから、表上はマネロン含めた金融犯罪対策に役立つことを前面に出しつつも、最終的には国は国民が持つ全ての資産をブロックチェーンに乗せて把握・管理することが出来るようになることは(国にとっては)大きなメリットですから、いつかはやりたいと思ってるでしょうね。。


我々としてはいつ何時そのような状況になったとしても困らないように、国内・海外の資産管理は今の内から綺麗に整えておくべきですし、まずはどこにどんな資産がどんな形であるのかを自分で一元管理しておかないといけませんね!


と言っている自分が全く出来ていない可能性が高いことは、ここだけの秘密にしておきましょうw


良い日曜をお過ごしください!
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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