Vol.386　人々の不安を映す2つの《鏡》｜【GIA通信】海外発！経済教育マガジン

人々の不安を映す2つの《鏡》

みなさま、こんにちは！
Global Investment Academyの両角です。

弊社が運営している会員制有料投資コミュニティの会員様に対して、事あるごとに「投資で成功するには自分の欲に打ち勝つこと！」と伝えているのですが、それは何を隠そう、自分が一番欲深い人間であり、今まで失敗の連続だったからこそ、同じ轍を踏まないで欲しいという願いからでもあります。

でも今また、ある欲に心がグラグラ傾きつつあって、戦っています。。汗

続きは【編集後記】にて


			ようやくボックス圏を抜けたBTC この背景にあるのは失業給付金！？

久し振りに、「よっしゃ、来たぁ～～！」っていう感じですw

って、いきなりこんなことを言われても「？」になっちゃったかもですね・・・スミマセン汗

コロナショックがあった3月下旬には、その当時の値段から半値近くとなる5000ドル付近まで急落したかと思えば、5月には半減期を迎える期待感から10,000ドル近くまで一気に値を戻したりと、ボラティリティの高い動きをした【ビットコイン】。

ただ、ここ1ヶ月くらいは、ずっと9,000～9,500ドルの狭いボックス圏内を推移するなど、ビットコインらしからぬ動きをして、内心「一体どうしちゃったんだろう・・・」なんて思ったりもしていました。

しかし、今週に入ってようやくボックス圏を上抜けし、8月2日朝の段階では11,800ドルを超えつけ、年初来最高値を記録しました。

日経新聞で「法定通貨への不振を背景に金・BTCに資金が流入」との記事が掲載されたことや、元ゴールドマンサックスのノボグラッツ氏が「流動性供給が続く限り金もBTCも上昇、年末に２万ドルを狙う」などの発言もあって底堅く、まだ上値を伺う勢いを見せています。

ビットコイン価格の上昇背景には、各国政府の信用力が裏付けとなっている法定通貨への不信感があり、低金利環境の長期化がドル資産の魅力を低下させ、ドルからデジタルゴールドとも言われるビットコインなどへの資金シフトを促していると言われています。

フォーブスによると、暗号通貨を保有する米国の成人は人口の15%を占めており、その半数（約2400万人）は2020年上半期に初めて仮想通貨を購入していたというリサーチを伝えています。

米国ではコロナショックによる急激な景気悪化を食い止めるべく、3月以降、3回にわたる経済対策が実施され、その規模はGDPの15％にあたる3兆ドル規模にまで達しています。

また与党である共和党は、1兆ドル規模の追加景気対策を現在打ち出しており、この規模で追加策が決定されれば、経済対策の合計規模は、通常の年間歳出規模の4.4兆ドル近くにまで迫るというから、どれだけのお金が市場にばらまかれているか、お分かりになろうかと思います。

未だ大量の失業者が街に溢れている訳ですが、米政府は失業給付を通常の給付額に加えて週間で600ドル（月2400ドル～3000ドル）プラスして支給しています。あくまでこの額は追加であり、元々の給付額を加えると、むしろ失業して収入が増えた方も相当数いると言われています。

ロックダウンのような行動制限を受けて、外出自粛を余儀無くされている状態が続いており、時間とお金に余裕が出来た米国人の一部のお金（合わせれば相当な金額になるはず・・・）が株式市場に入り込み、GAFAMに代表されるようなハイテク株が買われてNASDAQも史上最高値を記録しましたし、そのお金の流入先は、このビットコイン市場にも大量に流れ込んできてるのです。

手数料無料の株取引を提供するオンライン証券企業であり、この分野を代表する米国のユニコーン「ロビンフッド」。2013年に設立されたこの会社は、売買手数料を無料化し、証券業界に価格破壊を引き起こしました。30歳前後の顧客を中心に支持を集め、口座数は昨年12月に1000万件に到達。

そして2020年1～3月の3ヶ月の間に、300万件以上の新規口座が開設されたというのですから、足元好調な米国株の上昇は、株取引を始めたばかりの素人投資家が関係しているのがわかりますね！

これは我々日本でも同じような状況です。

弊社が運営する有料の会員投資コミュニティ向けに配信しているメルマガ（GGM通信）では、より内容濃くタイムリーに、昨今の世界情勢や世界の不動産市況や金・原油を含めた商品市場の動きなどについても詳しく書いていますが、特に最近口酸っぱく伝えていることとしては、実体経済と金融経済の乖離があまりに大きくなりすぎて、かなりリスクが高まりつつあることを感じています。

こうした大きなマグマが溜まってきている時には、ひょっとしたことから底が抜け、一気に暴落することも、過去の歴史の中で何度も起きています。

株式市場の格言にもなっている「靴磨きの少年」のお話でもないですが、多くの素人たちが投資話で盛り上がってきた時こそ、ショックは起こるものです。。もちろん、起きて欲しくはないですが、万が一そうなっても困らないような準備は、今だからこそ、必ず前もってしていくようにしましょうね！


			あの安全資産もグイグイ上昇！人々の不安と不信感を映す【鏡】

ビットコインの他にも、最近グングンと値をあげているものがありますが、リテラシーの高いGIA通信の読者様なら、それがどんな商品なのか、すぐ即答出来ますよね・・？

7月28日のNY金（ゴールド）相場は、前日より+13.6ドル(+0.7%)となって8日連続の上昇し、2011年9月につけた過去最高値の1,923ドルを上回りました。これは、2011年以来、約9年ぶりの最高値更新であり、《ゴールドバブル》にも近い状態が続いています（年初来では約30%上昇）

またその後も勢いを保ち、先物市場では中心限月の12月物が一時2000ドルの大台にタッチしました。現時点では期近の8月限月が1,962.8ドルとなっていますが、将来的に価格が上昇して行くというコンタンゴ（Contango）の状態となっています。

（日経新聞より引用）

ビットコインと金（ゴールド）の両者に共通するのは、それぞれ通貨に似た性質を持つものの、特定の発行国を持たない「無国籍」である点であり、米ドルをはじめとする法定通貨への不信感が高まりを見せた際に、両者の価格は上昇することが多いです。

また、金が持つ特性上、もともと希少性が高いことに加えて、市場にお金がばらまかれていることも、価格を大きく押し上げる要因になっています。稀少性が高いという点については、ビットコインも発行枚数上限があるということで同じですね。

一方で、コロナショックが起きた中でも最も強さを見せていた米ドルは、ドルインデックス（DXY)が2018年6月以来、約2年ぶりの低水準まで下落してきました。

一般的にドルインデックスと金価格は反相関関係（例、ドルが安くなれば金は高くなる）の傾向を見せます。コロナショックがあった3月には、悲観売りからリスク資産が全部売られ、ドルだけが買われる場面もあり、ドル高・金安の展開にもなりましたが、それ以降は本来の動きを取り戻し、特にここ足元ではその傾向を強めているのがわかりますよね！

（「Let’s Gold」から引用）

この歴史的な金価格の高騰の背景には、上で書いたように金融市場における米ドルに対する強い不信感の表れが見て取れるとともに、未だ1日当たりの新規感染者数が新記録を更新するなど、新型コロナウイルスの感染拡大に収束を見出せず、先行きに大きな不安を抱いている人が多く、そのお金が安全資産の代表格である金市場に流れ込んでいる、そういうことですね。

下の2つのグラフは、金価格の推移を、①新型コロナウイルス新規感染者数の推移と、②世界経済政策不確実性指数の推移、それぞれ比べたものですが、どちらも相関関係が見られるように、人々の不安の高まりに連れて金価格も上昇しているのがよくわかります。

特に政策の影響による経済の先行きの不確実性を示す「経済政策不確実指数」（グローバル）は足元で過去最高水準にあることは【要注意】です。

（みずほ証券「マーケットフォーカス」より引用）

※）世界経済政策不確実性指数とは？

政策の影響による経済の先行きの不確実性を示す指標です。米スタンフォード大学の教授らによって開発され、経済政策の不確実性に関する新聞報道の定量化、先行きに控える税制変更の数、エコノミストによる経済予想の不一致度合いの3要素で構成されています。

この指数は、米国だけでなく、世界、欧州、ドイツ、英国、中国、日本など、現在25カ国・地域のものが算出されています。

（三井住友DSアセットマネジメント「マーケットレポート」から引用）

この世界経済政策不確実性指数が過去最高水準にあることを踏まえれば、現状はリスク回避の動きの強まりに伴う株安や円高につながりやすい環境にあると言えます。特に、日本は世界最大の対外債権国であり、円が安全資産とみなされているため、円高の進行とそれに伴う株安には注意が必要と思われます。

今週突然起きた円高（8/1には1ドル104.2円をタッチ）は、もしかするとこういうことが背景にあっての動きだったかもしれませんね。。


			必ず押さえておこう！ゴールドの特性

最近になってこのGIA通信をご購読された方の多くは、もしかするとあまり金（ゴールド）について馴染みが薄いかもしれませんので、その方々のために、簡単に金（ゴールド）の特徴について触れておきますね。

もともと金は、紙幣や株式などのリスク資産と違って人の手で作り出すことができず、限られた（＝有限）資産なところは特異ですね。実際にこれまで人類が採掘してきた金の総量は約18万トンで、これはオリンピック公式競技用プールの約3.8杯分の量しかない、とても希少性が高いものです。

また、信用リスクがない安全資産として多くの人からその価値を認められており、株式などと違って価値がゼロになることはありません。さらに、世界中で流通していることから、換金性も高い商品です。

また、不動産などと同じようにインフレに強い資産として知られ、現在世界各国の中央銀行が未曾有の財政出動によるお金のバラマキをやっていることから、今後想定的に紙幣の価値が、逆にモノの価値が上がる＝インフレになるのでは？という声が多く、だからこそ現在金貨価格がその期待を先取りする形で高騰している訳です。

一方のデメリットとしては、株式などのリスク資産と違ってインカムゲインに当たる配当や利息がつきません。このことは投資的な観点からみると、将来的な値上がり（キャピタルゲイン）しか期待出来ませんので、確かにデメリットというか、面白さには欠けるところかなと。

ただ、コロナショック後の世界経済は、各国ともにどうにかして景気を持ち上げようと政策金利を掘り下げるところまで利下げし、米国においてもゼロ付近まで金利が下がっています。このことは逆に金利を産まない金にとってはプラスに働きますので、ここでも金が買われる理由となります。

また、金地金や金貨として持つ場合、紛失リスクや盗難リスク、あるいは保管コストなどが発生してきます。

ちょうど今金地金という言葉が出たので補足をすると、金に投資する方法として、金の延べ棒のような地金で持つ、あるいは装飾品やアクセサリー、金貨などで持つことの他に、「純金積立コツコツ・・🎵」というCMフレーズでおなじみの純金積立や、ETFなどの投資信託などがあります。

私はまだ金の価格が1,100～1,200ドルと安かった2015年10月以降、数回に分けて香港にて【金地金】を購入しました。あの当時はやはりトレンド的に「今が買い！」というタイミングであったことはありますが、自らの資産ポートフォリオを考えたときに、リスク資産に偏りつつあったので、バランスを整えるべく金の購入を決断しました。

あれから5年が経過・・・・下のグラフにあるように当初の見立て通りに価格は大幅に上昇してくれました！♪( ´θ｀)ノ　ただ、この価格上昇の過程で、一部すでに現金化してしまっていたので、今から振り返ると「もったいなかったぁ！涙」と思うこともありますが、全ては「タラレバ」の世界ですし、投資の世界に身を置いていると、こういうことはキリがなので、そこは忘れてただ前を向きますw

▲2015年10月香港でのある企業のオフィスにて購買契約


			投機はせずに、投資として考えるポートフォリオに必ず組み入れよう！

さて、こんな感じで9年ぶりの高値をつけている金ですが、この先さらに上昇するのか、あるいは投資家による利確、高値警戒感によって一服するのかは、誰にもわかりません。

ただ、明らかなのは、先述したように、実体経済と金融経済との乖離が大きいことを懸念して安全資産である金にお金が集まってきていることや、新型コロナウイルスのまん延と米中対立の先鋭化で「先行き不安」「低金利」「カネ余り」という金を買う材料が重なったことが大きいでしょう。

FRB をはじめとする各国中央銀行は今後も長期にわたって大規模な金融緩和を維持・拡大していくと考えられますので、米国など主要国の市場金利が大きく上昇に転じることは考えにくいです。となると、やはりまだまだ上昇の余地があると考えるのが普通か・・・ただ、これだけ短期間に上昇したことによって過熱感は否めない・・・うーん、、、なかなか判断は難しいですね苦笑

何れにしても、個人的には資産分散先として、金は必ず自らの資産ポートフォリオに組み込むべき商品であることは強く感じていますし、世界大恐慌以来の厳しい不況がくるかもしれないと噂されている中では、やはりこれらの商品の割合をポートフォリオ内で増やしていくことを皆さんにはお勧めしています。

ただ、大事なことは、誰々がこう言ったから「金を買う！」「ビットコインを買う！」のではなく、自らが現在の世界経済の流れ、社会情勢、そしてお金の流れをしっかりと理解した上で、納得した上で適切に行動してもらいたいと思います。

そのためにも、このGIA通信は、誰でも簡単に資産が儲かるというような怪しい話は一切ないので面白さにはかけるかと思いますが、荒波を乗り越えられる知識と知恵（リテラシー）が身につき、将来の安心を手に入れられる読み物として、是非多くの人に読んでもらえたら嬉しく思います。

本日お伝えした投資としての金（ゴールド）についてですが、これを機にもっと知りたい方は、少し前のものにはなりますが、弊社が行ったゴールドセミナーの動画を【無料】で見れますので、是非この機会にご覧ください。

ゴールドセミナーの視聴申込みはこちらから >

また、弊社が運営するアメーバブログ「海外投資の知恵袋」においても、金（ゴールド）に関して内容の濃い記事をいくつか投稿していますので、そちらでもしっかりと学べます。

【6年で7倍！現実に起きた金貨でキャピタル！】 >

【今でも使える政府発行金貨 in Japan！】 >

【究極のおしゃれ地金！？良い所取りで保全】 >

本編でも取り上げましたが、現在一時的なリスクオフの局面を先取りする形で、ビットコインの値段が上昇しています（米ドル含めて紙幣に対する信用を落ちている）。

我々がビットコインに注目したのが確か2015年頃で、その当時はそれこそまだ1ビットコインあたり200～400＄程度しかない状態で、中東のある国でマイニング事業をスタートさせたところでした。

それから酸いも甘いも経験し、あまりのボラティリティの高さに自分自身でめげてしまう局面もありましたが、ここ足元でようやく120万円台/BTCまで値を戻して来て、「もしかして、あの夢をもう一度・・・・！？」なんてソワソワしている自分がいるのも気づいていまいました。

ブロックチェーンという分野に対しては、ものすごく大きな可能性を感じてはいますし、長い目でみれば間違いなく様々な分野で生かされるテクノロジーではありますので、投資という行為を通じて”応援団”になっていこうと思ってはいるものの、やはりこの値動きにどうしても一喜一憂してしまう自分がいて、人間の欲深さは、ちょっとの思いでは勝てないのだなと、、改めて思いましたw

皆さんはこの上げ相場で利益確定しますか？あるいはもう少し辛抱強く値上がりを待ちますか？

もし良ければ、ご感想なりご意見を聞かせてくださいね！

ご意見ご感想はこちらから >

P.S.
本日この後13時から開催する「ブロックチェーン最前線　事業説明会」への参加希望者が1000名を突破しました！

講師を務める中村顧問も、プロジェクト側の方もここ数日ほとんど寝ないで頑張って準備してくれています・・涙

是非一人でも多くの方に、最前線で戦っている勇姿を見てもらえたら嬉しいです！

今回のGIA通信はいかがでしたか？
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

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以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう！

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