子どもから大人まで数学を苦手とする人は非常に多いのではないでしょうか。ましてや高校数学ともなるとほとんどの人が挫折してしまった経験を持っているでしょう。しかし、高校数学の基礎は丁寧に学べば特別難しいものではなく、同時に得た知識は私たちの生活にも大きく役立ちます。そんな高校数学の超入門書として書かれたのが『【フルカラー図解】高校数学の基礎が150分でわかる本』です。本記事でははじめての人から大人の学び直しまで1人で高校数学が学べる本として発刊された本書をもとに米田氏のオリジナルコンテンツをお送りします。

図Photo: Adobe Stock

メディアでも頻出!知らないと騙される?「対数グラフ」とは

 一般的なグラフは、目盛りが等間隔で付けられています。たとえば下図左側のグラフは、0→10→20→30と10間隔で目盛りが付けられています。

 しかしテレビや新聞では、それとは少し異なる「対数グラフ」が使われることもあります。

 それでは、対数グラフは一体どういうものなのでしょうか。対数グラフは下図右側のように、1目盛りの間隔が10倍(例:1→10→100→1000)になっているグラフです。

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対数グラフの読み方

 次に、対数グラフを読む方法について説明します。まず、グラフの棒が目盛りちょうどにある場合は、目盛りのとおりに読めばよいので簡単です。たとえば左の棒は「10万」、中央の棒は「100万」となります。

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 それでは、右の棒のように「目盛りと目盛りの中央」にある場合はどうなのでしょうか。多くの人は、10万人と100万人の間だから50万人くらい、と思うかもしれませんが、答えは約32万人です。

 なぜなら、対数グラフは「同じ距離上に進んだときの倍率が同じ」という性質があるからです。

 たとえば、もし中央が50万人であれば10万→50万が5倍、50万→100万が2倍となり、倍率が変わってしまいます。

 しかし、中央が32万人であれば10万→32万が3.2倍、32万→100万も約3.2倍となり、倍率が同じになります。これが「32万人」の理由です。

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 なお、20万、30万、40万、…、90万の位置はそれぞれ以下のようになります。たとえば20万であれば目盛りの3割、50万であれば目盛りの7割程度まで来ていますね。

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