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米国債からの逃避が物語る世界基軸通貨米ドルへの疑問符 |
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みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。
今週のGIA通信は、
個人投資家として世界経済を
見渡すうえで重要な視点をお届けします。
ニュースで
「トランプ政権が関税を一部引き下げた」
という話題を見た方も多いと思います。
ただ、その裏には、表には出にくい
非常に大きな“火種*が隠れています。
米国の金利・財政・米国債・ドル信認の問題。
これらが今、
同時多発的に揺らぎ始めているのです。
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いきなりの関税延期&「飴と鞭」政策 狙いは株価? それとも・・・? |
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米トランプ政権は、
中国以外の国に対して関税を一時的に
10%まで引き下げる猶予(90日間)を設けました。
逆に中国に対しては、
125%まで大幅に引き上げるという
「飴と鞭」政策。
この提案を進言したのは、
トランプ政権の財務長官であり、
世界的に有名なヘッジファンド
マネージャーでもある
スコット・ベッセント氏です。
彼は相場を読む力に長けており、
トランプ米大統領も経済判断の多くを
彼の助言に委ねています。
先日トランプ米大統領が
貿易赤字が大きい国や地域を対象にした
『相互関税』を課すという
措置を取ったことをきっかけに
世界中の株式・金融市場が
大混乱をきたしていることは
リテラシーの高い皆さんには
もはや釈迦に説法かと。
悲観的な投資環境は
トランプ米大統領のお膝元である
米国内の株式市場でも同じ状況であり、
米株価指数であるS&P500は
次のチャートのように暴落しました。
今回の相互関税は
こうした《世界同時株安》を
引き起こした元凶と騒がれていますが、
我々投資家として
理解しておくべき問題としては、
何故トランプ政権が
”いきなり”相互関税を延期したのか?です。
当然ながら
相互関税の延期は
こうした株安を防ぐための
”配慮”と思われがちですが、
実はそこには別の理由・・・・
もっと深い背景が存在していること
あなたはご存知でしたでしょうか?
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株安+債券安(金利上昇)は異常事態 米政府の思惑は外れたか・・・!? |
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先述したベッセント氏の考え方は、こうです。
「インフレを抑えるためには、
株価が多少下がってでも経済を冷やす必要がある。
結果として金利が下がれば、むしろ好都合だ」
つまり、
・株価上昇 → 経済過熱 → 金利上昇 → 国の利払いが増える
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
・株価下落 → 景気が落ち着く → 金利が下がる → 財政負担が軽くなる
という構図が見えてきます。
ここで理解しておくべき重要なことは、
現在米国政府の金利負担が極限状態にあるという点です。
このGIA通信でも
何度か取り上げているので
理解されているかと思いますが、
コロナ後の巨額の財政出動で、
米国債の発行残高は天文学的数字に膨れ上がり、
利払い費だけで
1兆ドルを超えています。
これは米国の防衛費よりも多く、
政府の財政運営に大きな影響を与えています。
しかしながら、
ベッセント氏が考えた
シナリオには大きな”誤算”がありました。
通常、株が下がると
「リスクオフ」の流れで米国債が買われ、
金利が下がるのがセオリーです。
ですが今回は、
株も下がっているのに米国債も売られ、
金利が上昇してしまいました。
下は米国の長期金利のチャートですが、
株安とともに金利も下がっていたのですが、
今週に入ってから大きく反発、
上昇してるのがわかります。
これは明らかに「異常」です。
株安+債券安(金利上昇)というのは、
リーマンショックなどの危機的状況ですら
あまり見られなかった、非常にまれな現象です。
なぜこんなことが起きたのか?
その裏には
「米国債からの逃避」
つまり、外国人による
米国債売りがあると見られています。
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米国債からの逃避が物語る 世界基軸通貨米ドルへの疑問符 |
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米国債の明確な売り主は
現時点ではわかっていませんが、
市場では以下のような憶測が飛び交っています。
・中国が政治的圧力として売却した
・日本の機関投資家が損切りした
・米国債に過剰レバレッジをかけていた投資家が追い込まれた
中でも、
農林中金などが
大量に米国債を保有しつつ
リスクを取りすぎていたのでは・・・?
という話は以前から
投資家の間でも注目されています。
※農林中金の米国債保有問題については
ネットでたくさん情報がありますので
興味がある方はお調べください。
ただ、おそらく
現時点での国内金融機関の
外債保有状況から考えると
おそらく農林中金ではないかと・・・汗
それはそうと、、、
ここで重要なのは
「誰が売ったか」ということよりも
「なぜ売られたか」なのです!
なぜなら米国債やドルに対する
信頼が揺らぎ始めている証拠だからです。
ここが今回の本質的な問題です。
米国が世界の覇権を握るまで成長し、
米ドルが世界の基軸通貨であったのも
・外国人が米国株を買い支え
・外国人が米国債を買い支え
・外国人が米ドルを保有することでドルの地位を保っていた
という
「海外依存モデル」
が存在し、依存してきたからです。
この仕組みの中では、
もし仮に米国株が下がっても
外国人が米国債を買えば
金利は下がりますし、
米ドルも買い支えられてきました。
でも、、、今は違います。
株が下がる
→ ドル安になる
→ 外国人の米国債投資に含み損が出る
→ 投げ売りが始まる
という悪循環が起きているのです!
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米ドル⬇中国元⬆の動きは 米ドルの信認が崩れ始めたサイン |
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特に注目すべきは、
米ドルが人民元に対しても
下落を始めたという点です。
これまで米ドルは、
たとえ株安になっても
「相対的に安全」とされ、
円やユーロに対しては
強かった過去・実績があります。
しかし今回は、
・円・ユーロ → ドルに対して強含み
・人民元 → ドルに対して上昇(ドル安)
という珍しい展開が起きています。
▼米ドル/中国元の為替チャート
これは単なる
為替の話ではありません。
米ドルの信認が崩れ始めている
重要なサインではないでしょうか?
少なくともこれまで
様々な国際経済、政治、金融の動きを
しっかりと観察してきた私はそう考えています。
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これまでの常識が通じない世界で 資産の本質的な価値をどう見抜くか! |
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こうした動きを以前から
警鐘を鳴らしていたのが、
元クレディ・スイスの
天才トレーダー
ゾルタン・ポジャール氏や、
世界的なヘッジファンド
ブリッジウォーターの創業者でもある
レイ・ダリオ氏らです。
彼らは共通して、
「ドルの覇権は終わりに近づいている」
と繰り返し警告してきました。
ダリオ氏のことは
先週のGIA通信でも取り上げましたね!
もしかして近いうちに
バンクラン=銀行の取り付け騒ぎが
起こるかもしれませんね・・・ザワザワ
話を戻して、、、
実際、各国が
米ドル依存からの脱却(=脱ドル化)を
模索している動きは加速しています。
例えば、
中国とロシアは、
エネルギーや資源取引の大部分を
ドル以外の通貨、特に人民元とルーブルで
決済する取り組みを加速させています。
また、現在11カ国が加盟するBRICSは、
米ドルに依存しない経済圏の構築を模索しており、
その一例が共通決済通貨
=独自通貨構想でもあります。
また、産油国のサウジアラビアが
中国との石油取引で人民元決済を
検討しているという報道が話題になりました。
これが現実化すれば、
「ペトロダラー体制(石油=ドル決済)」の
崩壊につながる可能性があります。
さらにはインドや中南米、
アフリカ諸国の貿易でも
米ドルの使用が徐々に減少しており、
これらの動きは長期的に見て、
米国の財政構造そのものが揺らぐ
リスクに直結していくと考えられます。
今回の「関税延期」は、
その場しのぎのニュースに見えて、
実は非常に大きな問題を映し出しています。
・株安よりも金利上昇リスクがトランプ政権にとっては深刻
・米国債が安全資産でなくなりつつある
・ドルの信認低下がいよいよ本格化
このGIA通信を通じて
戦友である皆さんには
いつもお伝えしていることですが、
我々個人投資家としては、
・通貨分散
・債券への過信を避ける
・米国市場だけに偏らない視点
を意識しておくべき時期に入ったと考えます。
《ゲーム・チェンジ》
これまでの「常識」が
通用しないフェーズに入りつつあります。
短期の株価の動きも大事ですが、
今のような地殻変動が起きている時期は、
もっと長期的な視点にたった
資産防衛策や通貨の分散
そして何より
資産の本質的な価値をどう見抜くか
それらが試されるタイミングでもあります。
このGIA通信では
金融リテラシー、投資リテラシーの
向上を目指す皆さんに対して
今後もこういった表に出にくい変化を
できるだけ分かりやすく噛み砕いて
お伝えしていきますので
よろしくお付き合いください^^
それでは、また次回の
GIA通信でお会いしましょう!
追伸)
数年前から
このGIA通信でも
ずっと取り上げてきた
本物の通貨=資産である《金ゴールド》
ついに史上最高値///
1oz=3,200ドルを突破しました!
まあ、金価格が上昇したのではなく、
通貨の価値が下がっているだけなのですけどね・・・苦笑
これはまだ一つの通過点でしかありません。
皆さん、備えは出来ていますか?
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今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。
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以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう! |
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