GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.552
オルカンは世界経済への投資ではなく◯国への集中投資の事実!
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


昔から日本では


「米国がくしゃみをすると
日本も風邪をひく」



と言われてるほど
米国の影響をモロに受けます。


ここ数週間、
米国の経済指標は
軒並み予想を下回るのが多く、


不景気とまでは行かないにしても
経済が明らかに減速している様子が伺えます。


NISAやiDeCoを通して
投資をし始めた多くの人は


「別に米国の調子が悪くたって
自分の資産運用には関係ないよ!w」



と豪語する人も
いるかと思いますが、


今日の話を最後まで聞いて
本当にそう言い切れるのか・・・。
目次
「世界経済全体に投資できる!」 世界株インデックス投資は投資初心者には最適な商品
5年間で3兆円集めたお化けファンド あなたはオルカンを購入済み?
世界経済への分散投資ではなく 実は米国経済への重点投資の実態!
世界の成長センターである アジア新興国が軽視されるリスク
米国集中のリスクを理解し 今から本当の資産分散を目指そう!
「世界経済全体に投資できる!」
世界株インデックス投資は
投資初心者には最適な商品
今年の新NISAのスタート以降、
世界株インデックスに連動する
投資信託で積立投資を始める方が急増しています。
世界株インデックスに投資をすることで


「世界経済の成長に投資できる」


という解説をよく耳にします。


こんなCMもよく目にするようになりましたよね?w
世界株インデックス投資は、
投資にかかるコストを抑えつつ、


世界中の幅広い業種業態へ
分散しながら投資をできる商品として


「はじめの一歩」
踏み出す投資初心者にとっては
良い商品・選択であると思います。
5年間で3兆円集めたお化けファンド
あなたはオルカンを購入済み?
三菱UFJアセットマネジメントが運用する


「eMAXIS Slim 全世界株式
(オール・カントリー。以下、オルカン)」



リテラシーの高い皆様であれば
おそらくご存知のことでしょう。


複数メディアでの報道によれば
2018年10月の設定から
2024年4月9日までの約5年間で


純資産残高で
3兆円を突破した
“お化けファンド”であり、


今年の1月9日には
たった1日で1013億円もの
資金を集めたことでさらに注目を集めました。
そして
今週6日に発表された
最新のデータによれば、


5月末時点の残高は3兆4300億円と
月間で2704億円を積み増して
全ファンドの残高ランキングで2位を維持。


月間の資金流入は2000億円を超え、
こちらは全ファンドの中で
最大だったと報じられました。
オルカンは
MSCI全世界株インデックス
への連動を目指しています。


この指数自体の
これまでのパフォーマンスがよかったから
というのが人気の理由の一つでしょう。


また、
過去の実績がどうこうよりも
どんな投資がいいかを考えるのが面倒な人や


他に多くの人が買っているから
自分も買っているような人もいることでしょう。


これを行動心理学的には


「バンドワゴン効果」といいます。
さらに、
分散投資をすれば
リスク調整後のリターンが大きくなるはずだ


というロジカル思考の方や、


株価の先行きは
誰にも予想できないという
「ランダム・ウォーク理論」の信奉者にも、


オルカンは合理的な商品選択だと
受け止められているのかもしれません。


皆さんはいかがですか?


すでにオルカンを自身の
資産ポートフォリオの中に組み入れていますか?
世界経済への分散投資ではなく
実は米国経済への重点投資の実態!
日本人から大人気のオルカン。


ただ、残念ながら
あまり商品の内容も理解もせずに
銀行や証券会社が勧めるがまま、


オルカンに《1点集中》
している人も相当数いると思われますが、


今回お伝えすることを聞いて


「えっ、そうなの!?知らなかった・・・」


と思い直す人も
それなりに出てくるかもしれません・・汗
ちょっとあるデータをご紹介します。


こちらは
三井住友DSマネジメントからの
最新レポートの一部を抜粋したものですが、


下の2つのパイチャートは、
世界株インデックスの国別ウエイト(左)と
名目GDPの世界シェア(右)をそれぞれ示したものです。


世界株インデックスの
国ごとの投資配分は、
株式市場の時価総額の
大きさにより決まるため、


時価総額が世界で
ダントツ1位の米国株の
組入れ比率が突出することとなります。


2024年3月末時点で、
世界株インデックスに占める
米国株のウエイトは約63.8%も占める一方で、


世界経済全体の
名目GDPに占める
米国経済のウエイトは
約26.8%に過ぎません(2022年末時点)。


本来、
「世界経済への投資」と謳うのであれば、


経済規模を示すGDPベースを基準に
配分を決めるのがロジカルな考えかと思いますが、


あくまでも現時点での
世界株インデックスの
資産配分比率をみてみると、


「世界経済への投資」
というよりも


「米国経済への重点投資」
といった方が実態に近いこと


皆さんはご存知でしたか?
世界の成長センターである
アジア新興国が軽視されるリスク
もちろん、
こうした米国への集中も、


米国経済の成長スピードが
世界経済を上回っていれば
大きな問題とはならないかもしれません。


しかし、
以下のグラフで
示されているように


2000年以降の
約22年間の経済成長率を見ると


米国は約151%にとどまり、
世界経済全体の約202%を
下回っているというデータも存在します。
ここ近年の世界経済の成長は、
主に《新興国の急拡大》に支えられていて


同期間の新興国経済の成長率は
実に約569%に達しています。


中でも、
中国、インド、東南アジアなどの
アジア新興国の成長率は約793%に達し、


「世界の成長センター」と呼ばれています。
しかし、
世界経済の約29.7%を占める
アジア新興国の株式は、


世界株インデックスには
約7.8%しか組み入れられていません。


このように、
成長地域への投資が
GDP比で極端に小さい
世界株インデックスについて、


「世界経済の成長に投資できる」
という解説=セールストークは
かなり盛った話と言わざるを得ません・・・汗
米国集中のリスクを理解し
今から本当の資産分散を目指そう!
世界株インデックスを通じて
世界の株式市場に
「分散投資」していたつもりが、


蓋を開けてみれば
米国株に集中投資するのと
大きな違いがないことは
おわかりいただけたかと思います。


このため、米国株や
近年米国株をけん引してきた
『マグニフィセント・セブン(*)』
ひとたび変調をきたせば、


世界株インデックスも
大きな調整に見舞われる可能性があること


この段階でしっかりと
そのリスクを理解しておきましょう。


(*)マグニフィセント・セブン:
アルファベット、アップル、メタ・プラットフォームズ、
アマゾン・ドットコム、マイクロソフトのGAFAMグループに
テスラ、エヌビディアを加えてた社の総称
ちなみに以下は、
国内公募の追加型株式投資信託の
4月末の純資産総額(残高)ランキングですが、


トップは米国株式に限定して投資する
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で、


累計残高は4兆3130億円となっています。
一般的に現在NISAやiDeCo経由で
投資信託への投資をしている人のほとんどが、


このS&P500かオルカンの
二者択一的な流れがありますが、


どちらを選んだとしても
米国頼みであることに違いありません・・・汗


このことをしっかりと理解し、
リテラシー高く投資を学ばれている皆様は、


本当の意味での
世界経済全体への投資、
そして世界への資産分散を
今すぐ行ってもらいたいと思いますし、


会社の同僚やご友人などに
こうした事実をサラッと
教えてあげてくださいね^^


きっとみんなから
尊敬の眼差しを向けられることでしょうw
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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