GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.476
金資源本位制への移行を進める露の狙い
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの両角です。


「もしかして資産が紙屑になるかも・・・」


不覚にも一時的にそう思ってしまった私は
まだまだリテラシーが足りてませんでした・・・恥


続きは【編集後記】にて
51年振りに起こるかもしれない・・・
露が目論む《金資源本位制》
先月末、大統領広報官は
ロシア政府がロシアルーブルと
金地金や資源類の価格を固定(ペッグ)する


【金資源本位制】の導入を正式に
検討していることを明らかにしました。


また、それはロシアだけでなく、
カザフスタンやベラルーシなどの
旧ソ連諸国 (EAEU)や上海協力機構、


さらには中国やブラジルを含む
BRICSといった合計35億人が住む
非米諸国が【金資源本位制】
移行していく可能性も指摘しています。
金本位制とは
1816年に英国で始まった
金を通貨の価値基準とする制度のこと。


各国の中央銀行が
発行した紙幣と同額の金を保有し、
いつでも相互に交換することを保証。


19世紀から20世紀の初めにかけて
世界で広く取り入れられていましたが、
1929年の世界恐慌以降、相次いで廃止。


先進国のほとんどは
通貨の発行量を通貨当局が調節する
今の《管理通貨制度》に移行しました。


よって、もしロシアが
金本位制の導入を正式に決定すれば
1971年に米ドル紙幣と金との兌換一時停止を宣言し、


ブレトン・ウッズ体制の
終結を告げたニクソンショック以来、
実に51年ぶりの出来事となります。
経済制裁を受けているはずの露が
《過去最高益》という驚愕の事実!
資源が豊富にあるロシアは
以前より金資源本位制への移行を
検討してきたに違いありません。


特に米国との冷戦終結後
世界は米国の一強時代が長く続き
ロシアは当然それを善しと思わず


ニクソン政権が基軸通貨ドルの
覇権を維持する為に構築した
《ペトロダラーシステム》の崩壊をも
目論んでいたと思われます。


そして今のタイミングで
ロシア政府が金資源本位制への
移行計画を強く仄めかしてきたのは、


ロシアが欧州に売る天然ガスを
ユーロやドル建てからルーブル建てに
強制的に転換させる策が


成功しつつあることで
自信を深めたことでしょう。
欧州人が使うガスの半分は
ロシアからの輸入に頼ってます。


欧州人はロシアのガスがないと
生きていくことが出来ないのです。
4月初めにロシアが
資源代金の支払いについて
ルーブル払いを強く求めた際、
欧州諸国は完全に拒否していましたが


最近はしだいにルーブル払いを
許容するようになってきており、


ロシアと戦っているウクライナに
武器を提供しているポーランドでさえ
ドイツ経由でロシア産天然ガスを輸入し続けています。
そのせいでしょうか?


ロシアの原油と天然ガスの
収入は前年を大きく上回っており、


しかもそれは月を追うごとに
大きく伸ばしています。
また、驚くことにロシアの経常収支は
これまでの歴史上で最も多くなっているのです!
(あくまでも2022年第一四半期までの数字)
あれれ?
日本のメディアでは
完全にロシアが敗者、
じき滅びるような論調がほとんどですが


実際にはロシア経済が
西側諸国から厳しい
経済制裁を受けながらも
至って健全な状態であることは


リテラシーの高いGIA通信の読者様は
間違いなく知っておくべき事実でしょう。


これこそ
《情報リテラシー》
求められるところなのです!
露はゲームチェンジャーになる!?
米国一強・米国覇権を崩せるか?
これらの動きを見てみると、
ロシアが諸外国に対して
資源代金のルーブル払いを強要したのは、


何も意地悪して欧州を狙い撃ちにし、
困窮させようとしたのではなく、


ペトロダラー覇権、
つまり資源代金の支払いに
米ドルだけが使われてきたものを


ルーブルを始めとする他の通貨でも
通用するように仕掛けていることで
今の米ドル基軸覇権を終わらせようとしている。


そう考えても
おかしくはありません。


まさにロシアは
【ゲームチェンジャー】的な
立ち位置で世界を変えようとしているのです!
もしロシアが欧米諸国に対して
ルーブル決済を認めさせることができれば


それを見て
中国など他の非米諸国も、
自国の輸出品のドル建て決済を拒否し、


自国通貨建てで決済することを
欧米諸国に求め始めることでしょう。


そうなれば現在のドルの
基軸制が崩れて非ドル化が急進し、
米国覇権が消失していく可能性が強いです。


まあ、すぐにそうなるとは思いませんが・・苦笑


ただし、
将来的に過去を振り返った時に


2022年という年が
時代の転換期になった!と思える時が
意外と早く来るかもしれませんね。
インフレで高笑いする国は?
本当の資産とは資源かもしれない・・・
現在世界同時多発的に
インフレーションが進んでいます。


米国の4月消費者物価指数(CPI)は
前年比8.3%と3月の8.5%から減速したものの
依然として高止まりが続いています。


ユーロ圏でも3月は同7.5%、
英国は同7.0%、カナダは同6.7%と、
主要国で軒並みインフレが加速。


日本では未だ景気が良くないため
企業側がコスト上昇分を
末端価格に転嫁できず


インフレの波を強烈に
感じるほどではないですが


それでもメディアでは
連日インフレ関連のニュースが
飛び交うようになりました。


西側諸国(日本を含む)から
ロシアに対する経済制裁が強まれば


回り回って
資源を持たない国が
そのしっぺ返しを喰らう。


その構図が徐々に明確に
はっきりと数字で表れてきました。
(円安が進んだのはその一つの例)


将来的にインフレが
激しくなりそうなので


人々は我先に不動産なり
現物資産の購入に走る。


米国の不動産マーケットなんて
もうとんでもないことになってます・・・汗
個人的には
そろそろ今回のバブル相場も終わり、
2008年のリーマンショックを超える
大きな調整が始まるだろうと思っています。


株式市場や債券市場では
その兆候がちらほら
見られ始めたかもしれません。
(暗号資産市場も酷いですね・・・汗)


インフレによって原油や
天然ガスなどの資源価格が上がり


金やダイヤモンドといった
現物資産の価格も高騰していった場合、


その時高笑いしているのは
一体どの国なのでしょうか・・・?
ある国の資源統計データ

・金(gold)生産量:世界第3位
・ダイヤモンド生産量:世界第1位
・原油輸出量:世界第2位
・石油埋蔵量:世界第6位
・天然ガス生産量/埋蔵量:世界第1位
・石炭輸出量:世界第3位
・ウラン生産量:世界第7位
・鉄鉱石生産量:世界第5位
・プラチナ生産量:世界第2位
・銀生産量:世界第4位
・水資源量:世界第2位
・小麦生産量:世界第3位
投資で成功するためには
将来の姿を正確に把握できる力が
何よりも大切であり手にすべきものです。


数年後に高笑いしているであろう
その国を想像して今週は終わりましょう!w
編集後記
ロシアによる
ウクライナ侵攻をきっかけに
西側諸国から強烈な経済制裁を受け
ロシアルーブルは短期間に大暴落。


ロシアルーブル建てで
現地銀行で定期預金をしている私は
おそらく皆さん以上に気が気でもなく
ある意味「覚悟」を強いられていました。


それから2ヶ月強が経過した今、
ルーブルは対日本円で急反発。


ウクライナ侵攻前より
大幅に強くなっています^^
個人的には
海外での外貨定期預金も
5年10年単位での長期で考えていますし


かつ、複利運用ができているので
為替の変動で一喜一憂しませんが、
(本当はハラハラドキドキ・・・汗)


やはり当初の目論見通り
高い金利収入に加えて
為替差益が出てくれるのは
海外投資の醍醐味として楽しいですね^^
今回のGIA通信はいかがでしたか?
感想・ご意見などございましたら、こちらからお気軽にお寄せください。

以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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