Vol.420　現地通貨暴落は外国人投資家にとって大チャンス！｜【GIA通信】海外発！経済教育マガジン

現地通貨暴落は外国人投資家にとって大チャンス！

みなさま、こんにちは！
Global Investment Academyの両角です。

今日のGIA通信は日本でもなかなか情報が少ないトルコ経済＆不動産に関するお話です^^

私がトルコの首都イスタンブールに収益不動産（プレビルド）を購入したのが2018年6月。

既に物件自体は2019年12月に完成し、物件引き渡しを直前に控えてまさかのコロナ禍突入で渡航を断念。

既に1年以上も経過しているトルコですが、先日ロイターからトルコ国内で新規感染者数が過去最高を更新したとのニュース。

いやはや、、、実際にお目にかかれる日はいつになることでしょう・・・（涙

では今週のGIA通信をお届けします！


			スワップポイントが1日で49円も！トルコリラは高金利通貨として人気

2018年8月に米国との関係悪化が引き金に起きた「トルコショック」は、新興国経済だけでなく世界経済にも大きなインパクトを与えました。

トルコといえば、1億人以上の人口を持ち、2017年にはG20＝先進諸国20カ国の中で最も高い経済成長を遂げた国として、世界から注目をされていました。

しかしながら、周辺国と紛争が続いていることによる地政学的リスクの高まりや、経済発展過渡期であるが故の宿命である恒常的な双子の赤字（＝経常収支＆財政収支）を抱え、政治・外交問題も長年の課題となっていました。

さらにこの国の1番の難題でもあるインフレがなかなか止まらずに、トルコリラは年々その価値を逓減させています。

一方、世界的にみても高金利がつくトルコリラは、高いスワップポイントを得れるとしてFXトレーダーには大人気。

スワップポイントとは簡単にいうと通貨ペアの金利差のことで、低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うことで、金利差分が受け取れる投資手法のことをさします。

トルコの政策金利は19.00%(2021年3月時点)であり、超低金利の日本とは大きな差があります。

トルコリラ/円のスワップポイントは、1万通貨あたり49円(2021年4月1日適用分（1日分）)となっており、高金利通貨の中でも高い水準となっていますから、投資家の中でリスク許容度が高い人はやって見るのも面白いかもしれませんね！

ただし、決してFXトレードを勧めている訳ではありません。

過去10年以上に渡って通貨安が続いている状態で撃沈している投資家もたくさん見てきているので、軽い気持ちで参加すると火傷しますのでご注意くださいね。

そんな一癖も二癖もあるトルコリラですが、ここに来て、またまた市場を騒がせています・・・汗


			政治が金融政策に関与する愚策！せっかく回復基調だったのに・・・涙

3月22日に暴落的な下げとなり、3月19日高値15.13円から3月22日安値13.33円まで急落。

さらに中銀副総裁の解任報道により3月26日から30日まで3日連続の日足陰線で30日夜には13.01円まで一段安となり、「第2のトルコリラショック到来か！？」と市場はザワつきました。

この大幅な通貨下落の理由ですが、3月20日にエルドアン大統領は、トルコ中央銀行のアーバル総裁を解任した事が直接の引き金になったようです。

そもそもエルドアン大統領は、過去2年弱で3回も中央銀行総裁の更迭を行っています。

日本でいれば、菅首相が自分の独断と偏見で黒田総裁を更迭する！ような、日本ではなかなか考えられないようなことがこの国では度々起きるのです・・・汗

上のグラフでもみてわかるように、更迭されたトルコ中銀のアーバル前総裁が昨年11月に就任した後、トルコはリラ高傾向に転じました。

トルコの流動性枯渇や高いインフレ率などトルコ経済に問題がありながら、アーバル前総裁はインフレを何としてでも止めるべく、就任以降5ヶ月足らずで政策金利を8.75％引き上げ、インフレ抑制に積極的な金融引き締め策を実施して来ました。

市場からはその手腕を高く評価され、この期間にトルコリラも対円で約20%も上昇するなど、中央銀行に対する信頼を獲得しつつあったのですが、、、

以前より懸念されていた政治の介入により、信任を回復しつつあったトルコに今後厳しい目が向けられる可能性が強いでしょう。

また、トルコは以前より観光産業が強かったのですが、今回のコロナ禍でトルコも例外なく壊滅的な被害を受けており、経常収支がさらに悪化するなどして、引き続きトルコリラが売られやすい状態が続くことが考えられます。

自国通貨が安くなることで輸入品を中心とした物価が上昇するインフレがさらに進行するでしょうし、トルコリラ（＝現金）を持っていれば、インフレが進行して行く過程においてドンドンとその価値が目減りしていってしまいますので、投資対象としてはそうした国は避けておくべきです。

いくら現地通貨建ての定期預金に高金利がつくからといって、高い利息は通貨安になることで簡単に吹っ飛んでしまいます。

では、海外投資の対象には一切ならないのか？

といえばそんなこともなく、逆にインフレを逆手にとった戦略が考えられます。


			インフレ恩恵を受けてトルコ不動産は世界で最も高い価格上昇率を記録！

具体的には、不動産というインフレ耐性のある資産に変えておくことです。

不動産価格はインフレの追い風を受けて上昇するので、通貨安＝インフレには有効な対策になりますし、実際外国人からすれば現地通貨が安くなればなるほど、その分安く不動産が購入出来るという訳ですから、投資的発想があれば大チャンスでもあるのです。

世界の不動産市場のデータを取り扱う『Global Property Guide』が出している最新のレポートによれば、2020年通年でトルコ不動産はインフレの影響を排除した数字でも前年比+13.7%と上昇しています。

さらにインフレを含めた数字（＝名目、Nominal)ベースでは前年比+30.3%と、どの国よりも不動産価格は上昇しているのです！ちょっと驚きですよねｗ

当然ながら現地通貨は安くなっているので、現在不動産を持っている人が不動産の価格が3割上昇したから儲かっているぞ！ということではなく、その分通貨が対ドルや対日本円で3割下がっていれば、トントンということですからその点はお間違いなく^^

このように、海外投資を行なっていくには、もちろんその国の通貨が強くなっていく国を選ぶことは重要なことですが、逆に自国通貨が弱い国でインフレが進行しているなら、現金ではなく不動産という資産に変えておくことでリスクをヘッジをしておくことが大事です。

そして今後経済環境が良くなってくるタイミングでは、やはり不動産価格はそれを反映して上昇していくと思われますので、それまでしっかり待つ！という戦術もアリだ！ということを是非覚えておきましょう。


			現地通貨安で新築コンドミニアムの 2ベッドルームの価格に驚愕！？

そんなトルコ不動産について、面白い情報を一つ。

トルコの首都・イスタンブールから車で30km程度離れた"Esenyurt"という街に完成した、とあるコンドミニアムの物件。

Esenyurtについては私が2018年に開催したトルコセミナーでも取り上げたのでご存知の方も多いかと思いますが、これから発展が期待される新興住宅地として今とても注目されています。

そんな開発が進められているエリアに完成したあるコンドミニアムですが、下にあるように、ある不動産物件サイトに掲載されていた情報を見る限り、キッチンの豪華な内装はかなりゴージャスですし、風呂場もタイル張りで相当お金がかかってそうな感じがします。

ちなみにこの物件の占有面積は110㎡もある広めの2ベッドルームですが、お値段は110,000トルコリラとなっています。

110,000トルコリラを日本円に直すと、、、、たったの【150万円】なのです！

私自身も一応この辺の価格相場が頭に入っているので最初は目を疑いました。

もちろん売主側でそれなりの事情があるでしょうし、安かろう悪かろうになってはいけませんので、安いからといって飛びつくと後で火傷をしてしまうこともあるから要注意。

この物件は私が確認した数日後には既にサイトから削除されていたので、即売買成立！と思われます。

ただ、このように、現地通貨が安くなっているということは、我々外国人からすればとても良い《投資先＝買い場》にもなり得ることは確かです。

この価格帯なら多少のリスクは取ったとして、思わず財布の紐が開いちゃいそうです・・ｗ

こうしたトルコ不動産は特に物理的に近い中東の人たちから大人気で、コロナ禍で苦しんだ2020年だけでも150万戸、前年比で+11.2%の販売を記録したようです。

Turkey’s housing market continues to grow stronger, buoyed by strong demand from both local and foreign investors. The nationwide house price index surged by a record 13.7% during 2020, a sharp turnaround from the previous year’s 1.67% y-o-y fall. Yet on a quarterly basis, real house prices fell by 0.25% in Q4 2020.
For foreigners, Turkey’s currency devaluation means that the property market is very attractively priced, luring many buyers from the Gulf. In 2020, home sales surged 11.2% y-o-y to nearly 1.5 million, exceeding the previous record of 1.41 million units set in 2017, according to the Turkish Statistical Institute (TurkStat). Turkey’s economy grew by 1.8% y-o-y in 2020 - emerging as one of the few countries globally to avoid a contraction due to the pandemic. The economy is expected to grow strongly by 6% this year, according to the IMF.

（「Global Property Guide」から引用）

トルコへの投資は決してリスクが低いとは言えませんが、海外投資の醍醐味を味わえる、面白いマーケット環境になっていることは間違いないようですね！

引き続き世界各地での面白い投資情報を拾って、このGIA通信でも可能な限りご紹介していきますのでお見逃しなく^^

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以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう！

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