Vol.30「打ち出の小槌の行く末」

Vol.30「打ち出の小槌の行く末」

みなさん、こんにちは。

グローバルインベストメントアカデミーの
両角崇(もろずみたかし)です。

先々週末、家族と一緒に
お隣シンガポールに訪れていました。

はい、美味しいものを食べに
わざわざ国境越えです^^

とは言っても
中心地まで高速道路を使って
たった45分の距離ですよ。

横浜から都内に出掛ける感覚ですね。

で、その日のシンガポールの
マリーナ地区においては
至る所で交通規制が行われていました。

実は、F1(フォーミュラワン)の
シンガポールグランプリが
開催されるからです。

そのシンガポールのF1グランプリって
街中の、いわゆる公道を走るのです。

そうです、
あのモナコGPと同じです。

普段自家用車で走っている道を
あのF1カーが疾走する姿は
何とも不思議な感じを受けました。

ただ、モナコと違うのは
夜20時からスタートするんですよね。

夜景のイルミネーションが
とても綺麗なこの街を

目にも止まらぬ速さで
街中の公道を駆け回る16台の車たち。

最近F1にはすっかりご無沙汰でしたが
目の前で繰り広げられる秒単位の攻防と
暗闇の中に浮かびあがるサーキット上に
自ずと胸が高まりました。

レースの方は最後まで見る事なく
途中で退散したので
結果はわかりませんが

大きな事故も混乱も起きなく
無事に閉幕したようです。
(よかったよかった・・・)

しかし、、、、
鼓膜が破れんばかりの爆音は
今までの人生で耳にした音の中で
間違いなく一番大きな音でした ^^;

来年こそはチケット取って
スタンドで観戦しようかな・・・

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   シニョリッジって??
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最初に簡単な質問ですが、

あなたは何をした時に
お金を貰えますか?

大抵の人は、
労働の対価として働いた分
お給料を貰えますね。

もしくは
何か持っているものを売るとか
サービスを売るとか

あとは、担保を差し出すことで
お金を借りれたりしますね。

いずれにせよ、
お金をもらう際に「対価」や
それに対する「担保」が
あるわけです。

しかし・・・
日本では唯一
なんの対価もなくお金を
得られる機関があります。

これは
「日本銀行」ですね。

正確には、1万円を刷るのに
約20円の原価が必要ですので
20円→10,000円で
実に500倍もの経済的価値を
生み出すことができます。

通貨を発行することによって
20円の費用で10,000円の価値を
生み出す、この9800円の利益。

これを
「シニョリッジ(通貨発行益)」
といいます。

昔の紙幣は金本位制制度によって
同価値の金と交換できたのですが

今の紙幣は20円の紙切れに
日本銀行の信用の証として
シニョリッジを上乗せしているだけに
過ぎません。

ちなみに
100ドル札も原価は約20セント

100ユーロ札も原価は約20セント
だそうですよ!

20円で10,000円を創りだす。
対価もないし、担保もない。

何ともすごいことですよね?
まさに現代版
「打ち出の小槌」ですね ^^

20円で1万円札を刷れる。

この事実について
シニョリッジが500倍であることについて
もう少し深く考えてみたいと思います。

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  「打ち出の小槌」の行く末は?
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ここで「とある小さい村」の話をします。

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家が5つ。
A,B,C,D,Eとある小さな村です。

みんな資産を100ゼニーずつ
持っているとします。

それぞれ
A:農家(米)
B:農家(野菜)
C:服屋
D:病院
E:建築家
とでもしましょうか。

みんな
それぞれの財やサービスに対して
値段(価値)を決めて

それぞれの資産を切り崩して
お互いを支えあっています。

米10kg 20ゼニー とか
服1着 20ゼニー とか

具体的に商品の価格を
イメージしましょう。

みんなそれぞれ
助けあって平和に暮らしています。

さて、、、こんな小さな村に
とある事件が起こります。

Fがやってくるのですが
Fはなんと「打ち出の小槌」を
持っているのです。

小槌をフルといくらでも
「ゼニー」を生み出すことができます。

村人5人は驚きます。
Fは村人にゼニーを適当に配りました。

A,B,C,D,Eの資産が
全員100倍の10,000ゼニーを
持つ事になったとしましょうか。

今まで資産100ゼニーだったAは
資産10,000ゼニーになったので
米10kgを20ゼニーで売っても
全然嬉しくなくなりました。

もともと資産100ゼニーの時に
20ゼニーで売っていたので
2,000ゼニーくらいで売るのが
ちょうどいいかな?
って思うようになりました。

まぁ打ち出の小槌で
いくらでもゼニーは出るんだし
2,000ゼニーで売っても問題ないよね。

となり、米は値上がりしました。

米が値上がりしたので
他のB,C,D,Eは
またFにゼニーを生み出してもらい
みんなの資産は100万ゼニーになりました。

ここまで来ると
みんなゼニーを大量に保有しているので
誰もゼニーを欲しいと思わなくなりました。

蓄えていた米と野菜を交換したり
米あげるからうちの家の穴を直してよ。

と物物交換の世界になりました。
ゼニーはもう要りません。

打ち出の小槌が使われることは
もう無くなりました。

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周りくどいですかね(笑

実際に「打ち出の小槌」があると
誰もお金を欲しくなくなる
ということです。

無限にでてくるものは
いつかは必要なくなるのです。

有限のものにこそ価値があるのです。

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  “日本村” は果たして大丈夫か?
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上のたとえ話は
インフレーションを
小さなモデルで説明したものです。

Fが無制限にゼニーの供給量を
増やさなければこんなことは起こらず
ゼニーの価値は下がりませんでした。

このモデルのFは
日本銀行=発券銀行ですね。

実際、現実問題として
20円で10,000円を作れるわけですから
「打ち出の小槌」と何ら変わりません。

この「打ち出の小槌」の力を過信し
必要以上に使いすぎると
過剰なインフレになるわけです。

日本銀行は、異次元緩和によって
通貨の供給量を増やしており
「打ち出の小槌」の力を
景気回復のために利用しています。

この力は強すぎるため
非常に慎重に動かないと
取り返しのつかないことになります。

せっかく働いて貯めた円預金が
紙くずに近づく可能性も
ゼロではありません。

もちろん前述の村のような
極端なことを想像している
わけではありませんが

20円で10,000円を刷り続けていること。

「対価」や「資産の裏付け」がない
「信用」で成り立っている「紙切れ」

を日本銀行が刷り続けているリスク。

この事実を我々国民は
知っておくべきかと思います。

さて、日本村の「打ち出の小槌」
の行く末はいかに・・・

以上、今回も最後までお読み頂きまして
誠にありがとうございました!

また、ご意見・ご感想・お問い合わせも
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それでは、次回のアカデミー通信で
またお会いしましょう!

両角 崇