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GLOBAL INVESTMENT ACADEMY GIA通信 Vol.301
2019年【貿易】が1つのテーマ・世界同時不況も到来か!?
みなさま、こんにちは!
Global Investment Academyの長谷川です^ ^


今年に入り
世界中の人を右往左往させている、
ある数字がありますね。


特に、
25%とか、25%とか、25%とか。。 ^ ^;


この数字が、
世界第2位のGDPを誇る
中国経済に影を落としています(汗


これがひいては世界経済を
ドン引きさせるのではないか、、、?
とも見えますから、見て見ぬフリはいけません。


2018年も
残りあとわずかですので、


2019年の投資戦略を
どう取り組んでいくべきか?


今週は【貿易】を一つのテーマとして
来年に備える今週号にいたします^ ^
遂に!中国の景気後退の時が来た!?
その悩める影響を受ける国はココ!
世界は、中国の成長と資金力に
引っ張ってもらっていますから、


最近耳にする
中国の景気後退のニュースには
不安を感じずにはいられませんね(汗


まずは中国の最近の数字を
取り上げます。


中国の実質GDP成長率は、
2015年下半期から2018年上半期まで
6.7〜6.9%の間の狭い幅で
推移してきましたが、


2018年7月-9月で
ついにその幅から割れ、
0.2%下振れの6.5%となりました。


▼中国実質GDP成長率
IMF(国際通貨基金)では、
今後この緩やかな減速傾向は続き、
2020年代前半から5%代に入ると予想し、
中国の成長は緩やかに減速局面に入っています。


中国国内株式市場では
上海総合株価指数が大幅に下落。


2018年4月から
2018年10月の最安では、
22.8%もの下落幅となりました。
人民元は
2018年4月からの10ヶ月間で
米ドルに対して10%下落。
米ドルは
今年に入り多くの通貨に対して
ドル高で動いていますが、


例えば日本円は、
今年の4月は1ドル=106.4円。
そして最近の最安は1ドル=113.6円で
6.8%ほどの下落にとどまっていますから、


人民元の10%の下落は
ドル高以外の要因もあると見えます。


中国の景気が減退すると、
中国での消費が減退する事になり
中国の輸入量の減少に繋がります。


それが何に繋がるのか?


中国に対しての輸出を
稼ぎ頭にしている国々の、
景気減退に繋がるかもしれません。。


中国向けの輸出割合の大きい国は、
モンゴル、香港、北朝鮮、コンゴ、
オーストラリア、ミャンマー、韓国、
ニュージーランド、ブラジルなどです。


中国を最大の輸出国としている国は、
オーストラリア、ニュージーランド、
ロシア、インドネシア、ミャンマー、
モンゴル、ブラジル、ペルー、チリなど
30の国と地域で、


世界の約16%が
中国を最大の輸出国としています。


(19%の35カ国がアメリカを、
 12%の22カ国がドイツを
 最大の輸出国としていますので、
 中国の16%はとても大きな数字です。)


▼世界各国の最大輸出相手国(2017):通商白書2018より
中国の需要を見込めなくなったとき、
これらの国に穴埋めできるものがあるでしょうか?


あれば既にしているはずですから、
「ないかもしれない」
「あっても難しいかもしれない」
とも考え、


2018年末、2019年、そしてそれ以降、
見込まれる中国の景気減退によって
各国が受けるであろう影響を、


良いも悪いも想定し
投資戦略を練っておきたいものです。
往復ビンタの応酬・・周囲は唖然(汗
解決できずにクリスマスに年明けか?
GDP成長率の減速、
上海総合株価指数の下落、
大幅な通貨安。


これらの原因となったのは、
アメリカと中国の間で起きている
貿易摩擦が大きいと考えています。


今週18日
21の国と地域が参加し、
APEC・アジア太平洋経済協力会議が
パプアニューギニアで行われました。


1993年のAPEC第一回会議以来、
史上初めてとなる
首脳宣言の採択をできない!
という事態になりましたね(驚


APECは、
世界人口の約4割も占める
アジア太平洋地域の国や地域が、
経済を軸に協調し、安定と発展に取り組み、
協調をめざしてきている枠組みです。


その重要な場で
このような事態を起こす原因となった国が、
貿易摩擦の対立真っ只中の
アメリカと中国です。。


中国の経済減退もしかり。
両国の関係は周辺諸国を巻き込んで
対立する事態になっています。


米中で勃発しているこの事態の
そもそもの事の発端は、


トランプ大統領が
貿易赤字の解消を目的に、
中国、日本、カナダ、メキシコ、
EU、インド、トルコなどなど
国別貿易赤字を生んでいる各国に向け、
追加関税を発動すると動き出した事でした。


アメリカの
2017年貿易赤字額は
およそ8000億ドル。


その中でも
中国に対する赤字が最大で、
3752億ドルにもなります。
(2位メキシコ、3位日本)


アメリカには貿易赤字を
解消したいなどの思惑があり、


中国はもちろん
一方的な追加関税を
受け入れるわけがなく、


その結果、両国の間で
追加関税の応酬となりました。


3月から始まりこの数ヶ月、
アメリカがしたら中国がして、
中国がしたらアメリカがしてと、
4往復くらいしたその額は
アメリカから2500億ドル相当分、
中国から1100億ドル相当分を超えます。。


【アメリカ→中国追加関税】
・鉄鋼25%、アルミ10%
・ハイテク製品25%
・電子部品や化学素材など
・家電や家具など5745品目10%
 (2019年25%に引上げ予定)



【中国→アメリカ追加関税】
・豚肉やワインなど128品目最大25%
・大豆や鶏肉など545品目25%
・ディーゼル油や車など333品目25%
・アメリカ製品5%または10%

国益の調整役として使われる関税
追加関税25%が作る未来は?
この問題で
振りかざされているのが
25%という大きな関税です。


そもそも関税とは
輸入関税と輸出関税の2つがあり、
一般的には輸入関税が使われています。


アメリカと中国の間で
勃発している追加関税も
輸入関税(以下、関税)のことを言っています。


例えば、
アメリカの企業Aが、
中国の企業Bから
関税5%のリンゴを
1個100円で輸入したとします。


アメリカの企業Aは、
中国の企業Bに
リンゴ代100円を支払います。


リンゴが
中国からアメリカへ入る時に
5%の関税がかかり、
アメリカの企業Aは
関税5%の5円を
アメリカ政府へ支払います。


ある時、
アメリカが中国に対して
リンゴの輸入に25%の
追加関税をしたとします。


アメリカの企業Aは
30%に引き上がった関税として、
30円も払わなければなりません。


企業が負担するコストは
消費者に反映されますから、


関税5%の時に
110円で売られていたリンゴが、


25%の追加関税後
135円で販売されるようになります。


消費者からすると、
110円だったものが135円になったら
普通は買いません。


商品が売れなくては仕方ないので
アメリカの企業Aは
次の(2)つの行動にでます。


(1)つめ。
中国以外の国Cから仕入れます。



C国でも1個100円で
関税が5%であれば、
リンゴは110円で販売できるので、
中国のリンゴを買わなくなります。


(2)つめ。
国内で作られている(関税がかからない)
110円で売れるリンゴを仕入れます。



関税が上がると、
仕入れ価格が高くなる為
その他の良い条件の国を探したり、


一方で
海外の輸入商品のコストが上がることで
国内商品の価格競争力を高められるので、


関税は、
国内でどの商品を売れるようにするか
国がコントロールをする手段にもなります。


アメリカは中国に対し
追加関税をかけることで、


中国からの輸入品が
アメリカ国内で売れにくくなり、
中国からの輸入が激減し
アメリカの対中貿易赤字が解消する、


というシナリオで、
アメリカの追加関税措置は
強引に進められています。


さらには
海外依存を長年続けた事によって
アメリカ国内で生産できなくなった
重要な分野を再建し、


国内の設備投資や雇用を生み
アメリカ国内が強くなる、
という考えも盛り込まれています。


中国がアメリカに対して
追加関税をかける場合も、
同様の価格の動きが生じます。
米中貿易摩擦の決着はつくのか??
11月30日からのアルゼンチンに注目
中国にとってアメリカは、
総輸出額の20%を占める
最大の輸出相手国ですので、
中国経済に与える影響は小さくはありません。
現在はまだ、
4月以降から続いている元安によって、
追加関税分の影響はある程度相殺され、


アメリカ国内の民間企業側でも
前倒しの仕入れによって在庫を増やす動きが起き、
中国からの輸入は減るどころか
8%増えていますので、


本当の影響が表に出てくるのは、
2019年に入ってからになりそうです。


来週末11月30日から
アルゼンチンのブエノスアイレスで
G20首脳会議が開催されますが、


アメリカのトランプ大統領と
中国の習近平国家主席が、
この機会に合わせて会談を行います。


中国の景気は
世界の景気につながっていますから、


この会談がどう決着するか?
注目をしておきましょう!
編集後記
今回は、
貿易と中国の景気減退を中心に
取り上げた回となりましたが、
物事の側面は1つではありませんから
機会があればまた書きたいと思います^ ^


周りを見渡すと、
米中貿易摩擦だけでなく、


アメリカと日本との間の
日米物品貿易協定(TAG)交渉、


アメリカ、カナダ、メキシコの
USMCA調印なるかどうか、


ヨーロッパでは、
イギリスとEU間での
関税同盟、共通通商政策の
合意に向けて調整、


環太平洋経済連携協定(TPP)の
今年末12月30日の発効など、


貿易関係の大きな動きが
各地で起きていますね。


2019年も「貿易」
引続き相場のテーマになりますから、


来年の投資戦略の中に
盛り込んでおきましょう!


「実際にどのような戦略を盛り込むか?」


皆様の投資戦略の
お手伝いをできるように、


来年1月20日(日)
【2019年投資戦略セミナー】を開催します!


当日は、
海外株に関して日本でも有数な
ファンドマネージャーの一人であり、


特に米国株について
その道のプロフェッショナルとして
「週刊ダイヤモンド」などにも
コラムを寄稿している、


ある方を
特別講師としてご招待し、
大々的に開催します^ ^


準備が整い次第
ご案内させていただきます♪


来週もどうぞお楽しみに!
以上、今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
それでは、次回のアカデミー通信でまたお会いしましょう!
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